異世界でお菓子屋さんを始めました！

第1話 オキニスside

はあ はあ

追って達に追われながら、

息を切らして走る。

俺はここで捕まってはいけない。

捕まる訳には行かないんだ。

追って1「オキニスウゥゥ 出てこい！！」

森中に怒号が響く。

運が良い事…俺は追って達に

見つかっていない。

このまま、このまま逃げ切れば…

草木を掻き分け逃げ道を作り、

無我夢中に茂みを分け…

ガサ ガサ ガサ

気づいたら、広場についた

…そして

「………っ！」

目の前に変わった格好をした女性がいた。

初めて彼女を目にした途端

見惚れてしまった。

真っ黒な艶やかな髪、

ぱっちりとした綺麗な黒い瞳、

何もかも………

「…………綺麗」

真澄「……………へ？」

あっ…しまった思わず本音が

こんな状況に何を言ってるんだ！

何か言い訳をしようと

女性に歩み寄ろうとしたが、

彼女の方は自分の事だと思っていなく、

辺りをキョロキョロ見渡していた。

それ所か何かに、はっと気付き、

ズリ…と後ろに下がりだした。

その時…

追って1「どこだ！！オキニス・ブランシェ！」

追って2「まだ、この辺りにいるはずだ探せ！

奴を逃がすなぁ！」

「「 ! ! 」」

しまった！追って達がもう近くに

…申し訳ないが彼女に協力して貰おう。

「すまない！手を貸してくれ！」

必死に助けを求めたら、

彼女は嫌な顔一つもせず協力してくれた。

真澄「 その方でしたら…

あちらの方に逃げて行きました。」

追って1「ちっ！逃げ足が早い男め…

ありがとうな女！行くぞ！てめらっ」

ドタ ドタ ドタ ドタ

彼女の演技により追って達は、

南の方向へ走っていった。

…優しい人で良かった、

彼女じゃなければ、きっと助からなかった。

それにしても…

肩が細くて壊れそうだったな…

それに甘い香りが…

草の茂みに隠れている際、

不謹慎ながら色々と思い出してしまった。

真澄「追っての人達はもう行きましたよ。」

「ありがとう、助かりました。」

じーー……

…黒い綺麗な瞳が俺を見ていると思うと、

なんだか、恥ずかしくなり…

「………あの…俺の顔に何か

付いているんでしょうか…///」

真澄「すっすみません！

あまりにも美形だったので、

つい…見惚れてしまって…ごめんなさい」

「……！……いえ…気にしないで下さい。」

彼女の発した言葉にさらに頬が紅くなった。

今の俺は絶対真っ赤だ。

何か俺も洒落た言葉を一つや二つ…

それよりもまずは名前をと思い…

「……あの…」

聞こうとしたら、彼女は…

真澄「じゃあ私はこれでさよなら！！」

ダッ！！

思いっきり走り去って行った。

「えっ…ちょっと！」

最初はビックリしたが、

俺は彼女を追いかけた。

せっかく出会ったのに、

さよならにしてたまるか、

申し訳ないが、俺は諦めが悪いからな！

こうして、逃げる彼女を捉え、

逃げださないように手首を掴んだ。