第6話 大切な貴方①(オペラ)

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前回のあらすじ


シリンヌ王子がピンキーさんを迎えに

役所やって来たが、


ダージリンさんにより…


ダージリン「これで意味が分かったろ

姉貴はな…2日前に自殺したんだよ

だから出来ないんだよ。 」


シリンヌ「…………っ!!!」


ピンキーさんの自殺が告げられた。


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……………………


現在、役所の中は多くの人々が

いるのも関わらず、音1つしなく、

静まり返っている。



「……………」


もちろんピンキーさんの自殺は嘘だ


実際、ピンキーさんは私のポケットの中で

2人の様子を伺っている。


この作戦はダージリンさんの案だけど、

この後どう話を進めるんだろう…


たしか…ダージリンは…


ダージリン「いいか…俺様が

『やれ!』と言ったら、みんな

シリンヌ王子に向かって聖水を、

真澄はお手製の激辛お菓子をぶん投げるんだ!」


みんな「「了解!!」」


このままシリンヌ王子に

ピンキーさんが死んでしまった事を

信じさせて、聖水と激辛お菓子を投げて、

役所を追っ払う作戦なのかな…


さあ…シリンヌ王子はどう出るのか?


シリンヌ「…………嘘だ…

ピンキー…なんで自殺なんか…

この前、会った時は笑ってたじゃないか」


……さっきの威厳が嘘のように消え、

シリンヌ王子は顔面蒼白になった。



ダージリン「1週間前…姉貴と会っていたのは

シリンヌ王子か…」


シリンヌ「そうだっ俺が会った時は

ピンキーは変わらず元気だった

自殺するはずっ……」


ダージリン「…俺様がみた時、姉貴は涙を流し、自分自身の身体をさすっていたぞ


何があったと聞いたら

姉貴なんて言ったと思う?」


ダージリンさん腕を組み、

人を殺しそうな目でシリンヌ王子を

睨みをきかせこう言った。


ダージリン「『親友だと思ってた人に押し倒された。信じてたのに…彼の性のはけ口にされた』だってよ!!


テメェ…王族だからって何しても許せると

思うなぁ!! 」


シリンヌ「違う!!!俺はそんなつもりで

ピンキーを抱いたんじゃっ…」


ダージリン「はんっ!じゃあ遊びで姉貴を抱いたのか?!そりゃあ嫁候補50人もいれば、

感覚が狂うよな!!!」


だんだんと口論がヒートアップしている。

私達はただ、2人の様子を傍観しているだけだ。


そろそろ聖水と激辛お菓子を

用意した方がいいかな?


ちらっと横目でダージリンさんを見たが、

ダージリンは目で『まだ、準備はするな』と

目で語りかけていた。


シリンヌ「……ふざけるな…」


ダージリン「…なんだ事実を言っただけじゃねーか 」


シリンヌ「性のはけ口?遊び?

いい加減にしろ俺は……


俺は…


ピンキーが好きだから、愛してるから、

抱いたんだ!


それに嫁候補50人はシラトス国民を安心させる為のデマだ!!実際に俺に嫁候補なんて

いない!!!」


ダージリン「(……この男…嘘をついてねぇ

本気で姉貴を愛しているんだ)

…姉貴の事、本気なんだな…」


シリンヌ「当たり前だ!助けられた日から

ずっと彼女を愛してる!……でもピンキーはもうこの世にいないんだよな…」


ダージリン「…………………………」


シリンヌ「分かってた、ピンキーが必死に

抵抗していたのは……嫌がってたのも…


それを無視して俺は行為を続けた

どうしてもピンキーに俺を男として

見て欲しかったから……

ずっと…側にいたいから…」


気づけばシリンヌ王子の目には涙が溜まり、

頬を伝って涙は流れ落ちた。



シリンヌ「…っ…ごめんなピンキー…

自殺するほど本当に嫌だったのだな

今さら言うのは遅いが……

皆の者、時間を取らせてすまなかった…

失礼する……後日花を持ってくる」


彼はボロボロと涙を零し、

背を向け出口へ向おうとした時、


ダージリン「シリンヌ王子待ってくれ

……姉貴、ちゃんと聞いたか?」


シリンヌ「………ぇ」


ダージリンさんが口を開いた。

すると、同時にゴソゴソとポケットが動き

ピンキーさんが出てきた。






ピンキー「えぇ…全部 ちゃんと聞いたわ

シリンヌ様 今の話は本当なんですね…」


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