第3話 真実は…

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お祝い事は無事に成功して、

気付けば夕方になっていた。



ココレット「あっ…お母さん、

私達、お隣の人に回覧板を

回しにいってくるね。真澄お姉ちゃん

今日はありがとうございました!」


アイリッシュ「ケーキ、美味しかった!

ごちそうさま」


ブルー「…………(ブンブン手を振ってる)」



「いえいえ、また珍しいお菓子を持って行きますね!」


子供達3人は仲良く手を繋いで、

回覧板を手に持って、家から出て行った。



バタン!!


いやぁ 今日はとても楽しかった!

手づくりケーキはみんなに

喜んで貰えた事だし、ロウソクを

消す場面ではダークさんも嬉しそうだった。


ちらっとダークさんをを見ると

ヨーグルさんとオキニス君とで

会話に花を咲かせている。


…そろそろ、私も帰った方が良いかな?

ここで私が話に割り込んだら

水を差すかもしれないし…


「皆さん、今日はありがとうございました

私そろそろ家に帰りますね

お邪魔し……」


オキニス「待って下さい真澄。俺が家まで送るんで、一人で帰ろうとしないで下さい。」


ダーク「………オキニス…伝える事は

まずそれではない」


ヨーグル「真澄ちゃん!待って

貴方に言わなきゃいけない事があるの」


「え……言わなきゃ事?」


……なっなんだろう?

何やら3人とも神妙な顔つきだ


まさか……私 何かやらかした?!


大人達にとってはケーキが

口に合わなかったとか…


何を言われるのか怖くて思わず身構える


さあっどんと来い!!!


ヨーグル「真澄ちゃんは お父さん…いや

ダークさんが主役の理由はわかるかな?」


「ココレットちゃんの話だと…

お仕事の関係で5年間家を

留守にしていたんでしたっけ ?」


ヨーグル「……ええ、表向きは

そう言う風に子供達には伝えているよ

……でも本当は…」


ヨーグルさんが

次の言葉を言う瞬間、素早く耳を抑えた。



だって……


「すっストップ!ヨーグルさん

その…私に話して良いんですか?

ダークさんが戻ってきた本当の理由…」


こういうのは大抵、複雑な理由がある、

人に話したくない事や深い事情が…


ヨーグル「いつも私達家族の為に

手助けてくれた。真澄ちゃんには

ちゃんと話したいの。いいかな?」


……ヨーグルさん…

そんなに私の事、信頼してくれて…


彼女の瞳は真剣だ…



「…………」

なら、私もしっかり彼女の話を聞かなくちゃ



耳を塞いでいた手を下ろし


「ヨーグルさん…お願いします」


姿勢を正し直した。



ヨーグル「ありがとう真澄ちゃん

じゃあ話すね


実はダークさんは仕事で5年間家に

居なかった訳じゃないの


本当は………私を守る為、

殺人の罪を犯して、クモード城の牢に

服役していたの…」



「……殺…人……」


ヨーグル「…いきなりでびっくりするよね

ごめんなさい、もう少し早く伝えるべきだったよね」


「そんな……」


ヨーグル「……真澄ちゃん…」

(顔が青ざめてる 理由が理由でもやっぱり殺人者が目の前にいると誰だって怖いよね)


ダーク「……………」

(…ヨーグル…すまない……我のせいで…)





「そんな………私………



ケーキのプレートに

《お仕事お疲れ様 お父さん》って

書いちゃった……


やっぱり《おかえりなさい お父さん》に

しとくべきだったー!!」



うわぁぁぁ 失敗したぁぁぁ!!!

人様の祝い事になんて事をー!!


ショックすぎて膝から崩れ落ちた。



「ごめんなさいっ!!

えっ…えっとお詫びとして

後日グリーンチャイのクッキーをっ……」


私のできるお詫びはそれしかない!!

バッとヨーグルさん達に顔を上げたら、



3人は目が点になっていた。


「あの…皆さん?」




どっどうしたのかしら

みんな固まってる。

私、変な事口走った?


するとダークさんの口が開いた。



ダーク「普通はこの話を聞いた人は軽蔑する


…何故、軽蔑しない?

我はヨーグルが言った通り殺人者なのだぞ」



……あっなるほど…

だからみんな固まっていたのね


なら…私もちゃんと話すべきだ。

私の母親だって…




「軽蔑なんて……私は絶対にしません!


あの…ヨーグルさん…ダークさん…

辛い事なのに話して下さいまして

ありがとうございます。


私もこれを機に聞いて

いただけないでしょうか。


実は私の母もダークさんと同じく

殺人を犯しました。」



ヨーグル・ダーク・オキニス「…………」







「でも、それは私を守る為に犯した事でした」





ダーク「……我と同じ理由で…」


「はい…でも彼女がその人を殺さなかったら、 私は死んでいました。」


殺人はどんな理由でもいけない事は

ちゃんとわかっている。


だけど…もし、母さんが

あの人を殺さなかったら、

私は今もこうして生きる未来はなかった。


みんなと出会える事もなかった。


オキニス君に恋することも…



「…その…こんな事言うのは不謹慎かも

知れませんが、ヨーグルさんを守ってくれて

ありがとうございます。ダークさん」


ダーク「……お主は不思議な考え方をするのだな…まさかお礼を言われるとは…

ヨーグル、良い友人を持ったな…」


ヨーグル「真澄ちゃん…ありがとう…

ありがとうっ ううっ…」


ヨーグルさんは涙を流し顔を覆った。


彼女を見てわかったんだ

凄く苦しかったんだろうなって


私も母さんが服役している時は

悲しくて、苦しくて、

会いたい一心だったもの。


幸いな事、私には施設の仲間達や支援してくれる人がいたから、頑張ってこれた。


でもヨーグルさんは違う。


まだ小さな子供を3人育てながら、

店の切り盛りをして、

一家を一人で守って……


弱音なんて吐ける状況じゃなかったと思う


彼女は充分に頑張ったんだ。

明るい表情の中はきっと苦しんでいた筈、

なら…私が彼女に出来ることは…


「ヨーグルさん、お疲れ様です

頑張りましたね 私の胸を貸しますので

思いっきり泣いて下さい」


泣くことさえ出来なかった彼女の

感情を出させる事だ。


ヨーグル「……真澄ちゃん…

ありがとう じゃあ借りるね…」


ヨーグルさんは律儀にお礼を言ってから、

頭を私の肩に乗せ思いっきり、

声をあげて泣いた。


途中…


ダーク「我がいない間…

子供達を守ってくれて、ありがとう

これからは我がヨーグルと子供達を守る」


ダークさんも歩み寄り、

ヨーグルさんの頭を撫で続けた。

彼の目には薄っすらと涙を浮かべている。


オキニス君は…


「…………(滝のような涙)」


他の誰よりも1番泣いていた

いや号泣している。



こうして…



ココレット「ただいま!

えっ…どうしたの?!」


子供達が戻ってきた頃には、

ダークさん以外の全員は

目を赤く腫らしていた。





……………………………………………………




………………………………………………






…………………………………………





(オキニスside )


真澄「今日はとても楽しかったです

ありがとうございました。

では、おやすみなさい!」


「じゃあ、俺たちはこれでお邪魔しました。

ダークさん、もうヨーグルさんを泣かせないで下さいよ」


ダーク「……承知の上だ、

ところでオキニスよ…」


「なんでしょう…!…」


グイッ!!(オキニスの腕を引っ張る)


ダーク「…真澄さん…誰かに付けられてるぞ

気をつけろ 朝お主達が来た際、気配を感じた(小声)」


「!!……分かりました。

ありがとうございます…ダークさん」


クモード城に戻ったら

後を付けてる人物が誰なのか調べよう…


危害が加える前に阻止しなくては…


…しかし…真澄の後を付けるとは…

いい度胸だな もし、彼女に何かしてみろ…

その時は……






喉元を噛みちぎって息の根を止めてやる。




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