第3話 オキニスside
…今、俺たちは役所にいる。
真澄の住民登録をする為に、
まずは、住む場所を見つけなくては…
本当は俺の住処で一緒に暮らすのも
良かったんだが、当の真澄は…
真澄「いえいえ!街まで
ご案内してくださったのに、
これ以上迷惑は掛けられません!!
あと私の野ぼ…
いや、お気持ちだけ頂きます。」
…とアワアワしながら断った。
「分かりました。もし困った事があれば、
いつでも頼って下さいね。」
まあ…いきなり初対面の男と
一緒に暮らせは、無理があるよな。
少しずつ信頼を得て、
彼女が俺を信じきったら
もう一度誘おうか。
真澄「はいっオキニスさん何から何まで
すみません。ありがとうございます。」
俺に向けて深々と頭を下げる。
身分を明かしていないのに、
なんて謙虚で礼儀が正しいんだ。
「いえ、まずは最初に住む場所を
見つけないと、それと住民登録が
2種類がありますが、どちらにしますか?」
真澄「…2種類?」
「ええ、住民登録の種類が2つありまして、
1つは元の世界に戻るまでの期間で
登録する物と、
もう1つは元の世界に戻らず永久に
登録する物があります。」
異世界の人々はもう1つの方をよく選ぶ、
大抵が元の世界で辛い事や悲しい過去を、
持っているからだ。
真澄も永久に登録する方を選ぶだろうと
思っていた。
だけど彼女だけは違った。
真澄「じゃあ、私は元の世界に
戻るまでの期間で住民登録お願いします。」
「……分かりました。では、
こちらの紙に書いて下さい」
……真澄にバレていないだろうが…
思っている事が顔に出ていないだろうか、
離したくない、側にいて、
ずっとこの世界に居ればいいのにって…
自分でも分かるぐらい
ドス黒い感情が湧いてる。
真澄「 はいっ 」
彼女はきっと気付いていないだろう。
俺がこんな物騒な感情が抱いているなんて…
真澄「お願いします!オキニスさん」
「ありがとうございます。
受付に渡しに行きますね。お待ち下さい。」
渡された紙をみるが、
やはり(元の世界に戻るまでの期間)で、
レ点が付いていた。
……そうか。真澄がいた世界は、
文字まで似ているのか…厄介だな。
…………なら……
受付に渡す際、俺はこう告げた。
「すまないが、彼女の住民登録は
永久にしてくれ。」
ピンキー「えっ!何を仰ってるんですか!
紙には………って何故、貴方様がここに?!」
「頼む。」
ピンキー「……っ貴方様の命令なら
仕方がありません。………承知しました。
こちらでちゃんと登録致します。
では、そちらの方に、
この紋章をお渡し願います。」
「ありがとう。頼むぞ」
永久登録の紋章を受付から受け取り、
真澄に渡した。
「お待たせしました。
住民登録が完了しました。
この紋章はここの住人の印となりますので、肌身離さず、持っていて下さいね。」
真澄「ありがとうございます。
オキニスさん。分かりました。」
嬉しそうに紋章を眺める
真澄を見て思った。
出会ってたった1日で、
もう俺は彼女を求め、
執着してるって…
…絶対に彼女を俺の女にする
そう…誰にも気付かれないよう心に誓った。
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