第4話 初めての試み(クッキー)
……………
異世界転移して、
2週間がたった…
「あのすみません。卵をとバターを
いただけませんでしょうか?」
ヨーグル「あいよ! 真澄ちゃん150ルーベンだよ。おまけにチーズも付けるね!」
「ありがとうございます!ヨーグルさん」
やっと…ここの生活に慣れ始めた。
元の世界と違って、
スーパーマーケットやデパートみたいに、
何でも揃っているお店はなく、
必要な物は個々のお店で
買わなくてはいけない。
電気は通っていなく、夜になると
とても真っ暗で夜道を歩けないなど
最初は慣れなくて大変だったけど…
ヨーグル「また、来てね。真澄ちゃん」
「はいっヨーグルさんが作る卵、
美味なんで!また行きます」
元の世界にはなかった、
人との関わりがあるから頑張れた。
ここの人達は見知らぬ私に対しても、
手助けしたり、優しくしてくれた。
……このまま…
ここに居ても良いんじゃ…
…いやいやダメダメ!!
私は元の世界に戻らなくちゃ!
親友もいるし
それに…母さんを一人にさせたくない。
…まだ恩も…
何も返せていないから
「……とりあえず、元の世界に戻るまで
好きな事をいっぱいしよう。」
もちろん!元の世界に戻る情報収集も、
欠かさずにね!
じゃあ、材料もこれで揃った事だし、
新しいマイホーム帰るぞー!!
市場から歩いて20分…
新しいマイホームに着いた。
昔、住んでいたアパートよりとても広く、
カントリー風でお庭も付いている。
「……まさか、こんな立派な家に
住めるなんて……これを提供してくれる
オキニスさんは一体何者…」
私のお給料じゃ到底、買えない。
毎回この家を見るたんびに、
口が開いてしまい、そう思ってしまう。
他にもオキニスさんは、
ここの世界の仕組みを教えてくれるし、
お仕事も提供してくれた。
提供してくれたお仕事は
勤務時間9時~15時(1時間休憩)のみ、
休みは週3日あると言う日本ではあり得ない、
ホワイト企業…お給料も前の働いた場所より倍ある。
…オキニスさんって私より年下なんだよね。
たしか………17歳。……若っ!!
高校生じゃん!
初めて年齢を聞いた時はビックリしたっけ…
「…ダメな大人だな………私…」
……さすがに、ここまでして貰って
ありがとうござますの言葉だけじゃ、
とても申し訳ない…なので!!
お菓子で何かお礼をしよう!
あとピンキーさんや
お世話になってる方々にも
そう思い今日はお休みを使い
街の市場で材料を買った。
バター・砂糖・卵・バニラオイル・薄力粉
アーモンドプードル……
…よし!忘れ物はない!大丈夫。
では、作りますか。
エプロンを身につけレッツ!クッキング!
まずは、ボールにバターを入れ、
泡だて器で練ってから砂糖を入れ……と
……ミキサーが存在しないから、
時間がかかるかな?
それにしても、材料はちゃんとあるのに、
何故、お菓子が生まれてこなかったのか
不思議だな……
まあ、これからは私が作って
存在させればいいか。
そうも思い…クッキーの作り方を
思い出しながら、手を進めた。
……………………………………………………
…………………………………………
…………………………………
クッキーを作り始め
3時間後…
「よかったぁ…成功した。」
うまく焼き上がりクッキーが完成した。
味はプレーンと抹茶。
抹茶はこの世界だと(グリーンチャイ)って言う名前になっているみたい。
正直、1番不安だったのがクッキーを
竃で焼く所だった。
初めて竃なんて使うなら、
せっかく生地まで出来たのに、
最後は黒焦げになってしまいましたと言う
オチになったら、立ち直れない……
いや本当に良かった、竃の使い方を
ヨーグルさんに聞いといて!
あとは熱を冷ましてから、
ラッピングするだけだ。
明日みんなに渡すの楽しみだな。
……………………………………………………
…と昨日まではお菓子をみんなに渡すのが、
楽しみでワクワクしていた私…
ピンキーさん、お仕事の仲間達、市場てお世話になってる人達にお菓子を渡したまでは良かった。
嬉しそうにお菓子を頬張る人、
美味しいって言ってくれる人、
それを見てほっこりした。
……でも今は…
「この中に入ってお菓子を渡さなきゃ…
いけないの……?」
正直に言うと渡しに行きたくない。
なんでって?それは……
目の前で綺麗なドレスを着飾った、
令嬢達がオキニスさんに
猛烈にアプローチをしているから。
令嬢1「オキニス様ぁ、
お仕事終わったんでしょ?
今からわたくし達とお茶にしなぁい?」
オキニス「いや、俺は行きません。
待ってる方がいるので(しつこいなこの女達…)」
令嬢2「んもぅ…そう言わずに ね?」
はぁぁ…初めて見たよ。
これが逆ナンパ……
令嬢の数は5人ぐらい。
腕を組んで胸を当てようとする人、
魅惑な言葉で攻めようとする人、
もう目を隠したくなる程、
私には破廉恥な雰囲気だ。
その中に私が入ってお菓子を渡したら、
令嬢の敵となり、明日が無いのかもしれない。
…オキニスさん、美人さんだから
モテるのは分かっていたけど、
まさかこんなにモテモテだとは…
せっかく、ピンキーさんにオキニスさんの
居場所を聞き、お菓子を渡せるチャンスだったけど…
「…オキニスさんは、また次回にしよっか」
そうだ、無理にこの中に入っていく
必要はないじゃない。
渡しに行く約束もしていないのに、
勝手に渡されても困るよね。
………バレないように
そー……と……抜き足…さし足…
この場を立ち去ろうとした瞬間
オキニス「あっ真澄!待ってました。
ピンキーさんから話は聞いています。」
「………!!」
パァァと効果音が出るような笑顔で
オキニスさんはブンブンと手を振った。
その横では令嬢達が怖い顔で、
私を睨んでいた。怖っ!!
オキニス「じゃあ、待ってる方が来たので、
俺はこれで、あっそうだ、皆さん、
もし…真澄にーーーーー。」
「オキニスさん?」
あれ、最後なんって言ったんだろう?
グイっ!
私の手を引っ張ると、
令嬢達には目をくれず歩いた。
手ェー!!私、恋愛経験ゼロー!!
いくら何でも無意識だからって、
指を絡めるその繋ぎ方は…
…恋、恋人繋…ぎ…
「オ…オキニスさん!!
あのご令嬢達の用事があったんじゃ…」
オキニス「ありませんよ。用事があるのは
真澄の方です。行きましょうか」
「へ?どっ…どこにですか。」
オキニス「クモード城です。」
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