第15話 赤く燃える桜貝町②
タシッ タシッ タンッ!!
ダージリン「オキニス様!右に曲がれ」
オキニス「バゥバウ!(分かりました!)」
「~~~っ!!」
ひぃぃ早い早い早い!
そして怖い(涙)!!!
いつぶりだろ オキニス君の
背中に乗ったの…
現在、私は動物姿になった
オキニス君に必死にしがみついている。
…私は振り落とされない様に
両手に力を入れ握りしめて…
ダージリンさんも、妖精姿に戻り
私の肩でオキニス君に指示をしている。
てっきり、3人で走って逃げるかと
思っていた。
走って逃げようと思った私達を
ダージリンさんは静止をして…
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……………………
ダージリン「ちょっと待て!
オキニス!真澄!」
オキニス「ダージリンさん
急いで逃げないとっ雛美火王子がっ…」
ダージリンさんは首を横に振り、
ダージリン「3人走って逃げたから、
追いつかれちまう…
特に真澄はここまで走って
疲れているだろ…だから」
口早に私とオキニス君に指示を出した。
ダージリン「オキニス様は動物姿に戻れ、
俺様は頭の上で道案内をするぜ
真澄はオキニス様にしがみつけ!
その方が早く遠くへ逃げられる」
「………えっ……あの……」
オキニス「!!たしかに!
人型の姿より元に戻った方が
早く走れますし、なにより
側で真澄を守れますね
分かりました!すぐに戻りますね」
オキニス君はすぐさま呪文を唱え
大きな狼姿になった
オキニス「ガウ!ガゥ(さあ真澄!俺に乗って下さい)」
「……………………」
ジェットコースター並の速さ
再び…
でも…今は緊急事態…
あーだこーだ言っている場合じゃないし
腹を括るしかない!!
スーハー…と深呼吸をして、
パチンと自分の頬を両手で引っ叩き、
この時、頬の叩く音で
ビクッとした2人を気にしない。
「お願いします!オキニス君!」
意を決して、
動物姿のオキニス君に跨った。
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……………………
「……っ………」
風圧に耐えながら
オキニス君にギュッとしがみつき、
物凄いスピードで進む最中、
オキニス「……スンスン…!!」
オキニス君が鼻をピクピクさせ
何かを訴えかけた。
オキニス「ガルルル…ガウガウッ!
(この先…煙と血の匂いがします!
あの王子…まさか住民を!)」
グルルル…と唸り声を上げ、
目元が鋭くなった。
言っている内容は分からないけど、
これだけは分かる
彼はとても怒っていると…
ダージリン「…2人とも…
この先、何があっても無視をしろ
辛いが…
逃げる事を第一優先にしてくれ」
オキニス「………ガウ…(……分かりました)」
「………はい……」
『……何があっても無視をする』
この言葉の意味でやっと理解した
きっと…この先は…
地獄のような光景があるんだと…
助けたくても助けられないと…
そして、ダージリンさんの指示の元
進み続け数刻後…
煙の匂いがしてきて…
町の住民1「誰か誰か助けて!!」
町の住民2「痛いっ痛いよぉ…」
人々の悲鳴、泣き声が聞こえてきた。
建物が崩壊して、炎に包まれ
ダージリン「……ひでぇ……」
「………そんな…嘘でしょ…
数十分前は……」
オキニス「………ゥゥゥ…
(建物も…人々も…あの男…許せない)」
まさに…
桜貝町中心部は
まるで地獄絵図そのものだった。
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