第3話 オキニスside①
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ガヤ ガヤ ガヤ
本日は臨時の王国会議。
真澄を緑さんと黒夜さんに、
看病をお願いしてもらい、
俺はパンド国王と一緒にクモード城に
一旦戻った。
リール「オキニス…真澄さんの様子は…」
父さんが不安そうな顔で
俺に問いかけた。
「父さん、安心してくれ
パンド国王のお力と幽霊さん達のお陰で
真澄はあと5日後に目を覚ますよ」
吉報に父さんの顔は明るくなり、
嬉しそうに俺の頭をワシワシと撫でた。
リール「良かった!ルビーも国民達も
聞いたら喜ぶぞ!
真澄さんが目が覚ましたら、
パーティーを開催しよう
そして、俺達の城へ住まわせ…」
「父さん」
俺は首を横に振った。
「真澄をお城に住まわせるのは
もっと後にして貰えないか
それに…彼女の意思が必要だ。」
リール「……え?!しないのか?!
普段のオキニスなら
真っ先にそうするだろ?
どうしたんだ!?体調が悪いのか?!」
「普段の俺なら…父さん、
いいえ、至って俺は正常だ
…雛美火王子を行動を見て、
俺、考え方を改めたいんだ」
リール「……………雛美火王子」
「ああ、自分の想いだけで
相手を縛り付けるのは良くない
そんな事をしたら、
相手は悲しい思いをするって…」
…きっと何も知らないままだったら、
俺が雛美火王子のように
なっていたかもしれない。
今回の出来事は俺にとって、
考え方を改めさせるキッカケだった。
それに…
「真澄と真澄の両親の時間を増やして
あげたいんだ。真澄は目を覚ましたら、
彼らと一緒に住む予定だ」
リール「そうか…分かった
……オキニス…」
話を聞いた父さんは穏やかな笑みを
浮かべると更に頭を撫でてきた。
リール「ルビーに似て、いい子だな!
偉い!!俺じゃ絶対に無理だ」
「………あはは…」
一国の国王でしょ貴方…と
ツッコミを入れそうになったが、
苦笑いでなんとか誤魔化した。
カーン!カーン!
議会が始まる合図の音がした。
リール「…議会が始まるな
指定の場所に座らないと」
「そうだな、父さんまた後で」
そう告げると俺は急いで指定の席に
座った。
パンド「はーい!全員揃ったかな?
1人ずつ出席をとりまーす」
今回はパンド国王が開催した
緊急会議の為、
進行はもちろん彼だ。
1人ずつ名前を呼びかけ、
出席を取り始めた。
王様以外にも王子や大臣、
位が高い人々が殆ど席に着いていた。
…だけど、この緊急会議に
呼ばれていない人物が1人いた。
雛美火王子だ。
今回は彼の王位剥奪と刑を決める
会議なのだから、いる訳がない。
パンド「牡丹王国も全員揃っているね
次はシラトス王国……
わぁ…何この幸せムード…」
はいっ?パンド国王は今なんて…
シラトス王国の人々が座っている
席を見ると、全員幸せそうに
ニコニコ笑っていた。
何あれ…怖い…
特に怖かったのは、
シルク魔王とシリンヌさん。
シルク魔王はキリッとした顔に
戻そうとしても数秒後には
ニコニコ笑顔に戻ってしまう。
シリンヌさんに至っては、
頬に手形がついているのにも関わらず、
ずっと笑顔のままだ。
俺がいない間に何があったんだ。
パンド「えーと…シラトス王国の皆さん
…シリンヌ王子に子供が出来て
大変喜ばしいのは分かりますが…
もう少し幸せオーラを抑えて下さい」
…なんだって?!
シリンヌ王子に子供?!
まさか…子供の母親は……
シルク「いやあ、すまない
なんせ初孫のもので…嬉しくてつい…
後でラピラズリの森に加護を与えなくては」
シリンヌ「まさか…ピンキーと両想いで
子供も授かるなんて思わなかったから…
幸せオーラが出て…すまない」
ジンジャー「こらこら~2人とも
一般人の住んでいる場所と名前を出したら
駄目ですよぉ!ふふふ」
やっぱり…ピンキーさん!!
えっ…これ…ダージリンさんは
納得しているのか?
緊急会議が終わったら後で、
連絡をしよう。
パンド「もう!これから会議だと言うのに!
えー…オホン!全員揃いましたので、
今から緊急会議を始めます
今回は雛美火王子の王位剥奪と刑についてです」
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