第3話 オキニスside②
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パンド「……今回は雛美火王子の
王位剥奪と刑についてです
まずは、雛美火王子の罪状をここにいる
皆さんにお伝えします。」
パンド国王は長い巻物を広げ、
読み上げた。
巻物が長い…
どれだけ、罪状があるのだろうか
パンド「まずは『人間嫌い』で…
己の愚かな行動で多くの人々を
不幸にさせました…」
雛美火王子の罪状を要約するとこうだ。
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『雛美火王子の罪状』
・人間嫌いだった頃は牡丹王国に住む『人間』を追い出していた。反抗すれば牢屋に閉じ込められていた。→最悪の場合、処刑される。
・ある夫婦を引き離した。妻には子供を身もごっていたが、人間だった為、母子は牡丹王国に連れて行かなかった。夫の方は理不尽な刑で10年間牢屋に閉じ込められていた。
・使用人の飯田武虎(人間)を無残に殺した事。
・クモード王国の国王と妃を殺そうとした事。
・国王と牡丹王国の町民の了承を得ずに、
勝手に【人間保護条約】を作り、
人間たちの自由を奪った事。
・新川真澄(人間)を意識不明の重体にさせた事。
・今回の騒動で多くの死者が出た。(その中には無関係な市民もいる。)
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要約以外にも人間に関連した罪状が、
いくつか述べられた。
「……………」
雛美火王子の罪状を聞いて、
俺はふつふつと怒りが湧いた。
あまりにも身勝手すぎる。
一国の王子なら国民が幸せを第一に
動くのが当たり前なのに、
彼は人々を不幸にしている。
慕っている家来、町民まで殺して…
何を考えているんだ。
…彼は何故…『人間』に執着して
いるのだろう。
グルル…
誰かの唸り声がして、
音が鳴った方を振り向くと、
父さんが怒りの表情に満ちていた。
リール「……パンド国王…
何故、飯田武虎の事まで……
刑をしっかり受けたはずじゃ……
まさかっ……」
父さんは立ち上がり、
一直線にある人の元まで向かった。
焔火「………っ…」
牡丹王国の焔火国王の前に立ち止まり、
彼の胸ぐらを掴んだ。
パンド「リッリール国王!
いけませんっ!!」
リール「……テメェ…
今回の真澄さんの件といい、
俺に嘘をついたな!!どういう事だ!!」
焔火「…それは…」
「とっ…父さん!!暴力はダメだ!
一体どうしたんだ?
そんなに怒って…」
飯田武虎という人物と
何か関係があるのか?
とにかくっ!
俺は父さんを焔火国王から、
引き離し、暴れないように羽交締めにした。
リール「…悪い…頭に血がのぼった…
飯田武虎はな…俺とルビーの命の恩人なんだ…」
「……えっ……」
リール「ちょうど事件当日、俺たちは
新婚旅行で牡丹王国にいたんだ
……我を忘れた雛美火王子と遭遇して
殺されそうになった」
「…まさか…飯田武虎さんという方が…
父さんと母さんを……」
リール「そうだ…俺達の盾となって、
無残に殺されてしまった…
…彼のお陰で俺やルビー、
オキニス…お前も今こうして、
生きていられるんだ
…それなのに…王家ぐるみで証拠隠滅
しようとしていたとは…」
父さんは焔火国王を鋭い眼光で睨み、
続け様にこう言った。
リール「息子と言いお前も最低だな
市民の命をなんだと思っているんだ」
ふんっと顔を背き、元の席に座った。
パンド「…焔火国王、
貴方の息子さん…こんなに罪状があるのに
何故?すぐに対処しなかったんですか
今まで野放しにしていたんですから、
これは…とても罪が重いですよ…」
焔火国王「……ああ…分かっておる
全ての責任は儂じゃ…
儂が雛美火を甘やかした親の責任じゃ
……儂にも息子にも相応の刑を臨む」
パンド「…分かりました。
では、各国で1時間、雛美火王子の刑罰を
考えて下さい
では、はじめ!」
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※クモード王国内で話し合い中
リール「待て待て!それじゃあ
甘すぎる…やはり処刑の方が…」
クモード王国大臣「いや…その方の精神的にきますし、相応の罰だと思います」
「ええっ大臣のいう通りです
処刑だと彼の為になりません…
……真澄も望まないと思います」
クモード王国騎士長「しっかり、時間をかけて罪を償うべきです」
リール「……皆がそい言うなら…
分かった、俺達は『それ』にしよう」
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全員が納得した上で、
雛美火王子の刑が決まった。
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