第8話 武虎への手紙(送った内容は?)

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第8話 武虎への手紙(送った内容は?)



※焔火国王が送った手紙の内容をご紹介!


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武虎へ


手紙の内容をしかと見たぞ。

ありがとう…こんなダメな儂を

想ってくれて…


さっそく質問の答えじゃが

…単刀直入に言う。


お主の言うとおり、

雛美火は儂の息子ではない。


先代の兄夫婦の子供。

儂とは叔父と甥の関係じゃ。


先代兄夫婦は雛美火に暴走によって、

命を落としてしまった。


その頃の雛美火は、まだ小さい子供…

人間では2〜3歳ぐらい。


その齢の子供が自分の手で

両親を殺した事実を知ってしまったら、

心が壊れると思い、


彼には、儂が父だと嘘をついて、

息子の様に愛情を持って育てた。


全ては、雛美火の暴走を止める為に、

牡丹王国の住民に被害がでないように…



…だけどっ…


…武虎…すまない…

儂のせいで、お主を死なせてしまった。


儂がもっと強く、王の資質があったら、

お主は無惨に死ぬ事なんて無かった。


あの時…城に戻らず、

儂がお主の側にいれば…

あんな悲劇にならなかったはずじゃ


悔やんでも悔やみきれない。



…それと…もう1つ謝りたい事がある。



武虎…お主…まだ、

転生出来ておらんじゃろ…


それ…儂のせいじゃ…


お主を生き返らせたくて、

色んな術や呪文を使い、

身体だけ復活させた。


転生試練は、身体と心、

どちらも死なないと受けられないからな


そして…今日…

パンド国王の力を借りて、

お主を生き返らせる事に成功した。



あとは、お主の気持ち次第じゃ…



なあ…武虎…

儂…もう一度、

お主に会いたいんじゃ…


ちゃんと言葉でお主が好きだと、

伝えたい。


…両手でいっぱいにお主を

抱きしめたい。



ああ…そうじゃ

儂も武虎と同じ気持ち…

お主に恋をしている。


勝手に本人の許可なく、

生き返らせたい程、

お主を想い求めておる。


正気の沙汰じゃない…

狂っている事ぐらい分かっておる。


それでも…この手紙を読んで、

まだ儂に情があるならば…


どうか儂の手を取って欲しい。

この世で待っているぞ。



焔火・紅より

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