第9話 ゴールの手前①
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あの世に滞在して…
どれぐらい経ったんだろう。
私の感覚だと6日ぐらい
経っているのかな。
朝食はこれで6回
とった事だし…
いつまでも青空のままで、
夜空にならないから、不思議な感じ。
時間感覚が狂ってしまうかもしれない…
でも…
オーロラ「真澄さん!ファイト
あともう少しで目的の場所に着くわよ!」
武虎「あっ…扉が見えてきた!
ゴールが近いですよ。2人とも」
「!はい!よし頑張るぞぉぉ」
この旅路は残りあと僅か…
あと数百メートルで終わる。
「……あとちょっと………」
目覚めたらあの世で、
最初は死んだと思って、
絶望しかなかった。
…けれど…
運が良い事に
オーロラさんや武虎さんに出会って、
彼女達の協力の元、この世へ戻る
旅路が始まった。
旅路は悪霊に追いかけられたり、
毒の花に触れそうになったりと、
決して楽ではなかった…
途中、挫けそうになったりもした。
……………………
オーロラ『貴方はちゃんと生きている!
愛する人達が貴方の目覚めを待っているわ
諦めないで真澄さん』
武虎『真澄さんには生きて欲しいです!
同じ鬼に殺された身として、
悔しいじゃないですか、
このまま死んじゃったら…』
「……っ!オーロラさん
武虎さん……ごめんなさい
弱音を吐いて…」
……………………
2人の激励に
折れた心は立ち直り、
再び歩き出し始めた。
諦めるもんか…
悪霊がなんだ!
毒の花がなんだ!
どんな物でもかかって来なさい!!
私は絶対にこの世に戻るんだから!!!
一緒に行動してくれる友人がいる。
「諦める」言葉はもう無い!!
熱い想いを心に抱きながら、
自分を励まして、
ひたすら道を歩き続けた。
……そうして
ついに……
ついに…
「……ここが……」
オーロラ「ええ…いつ見ても…大きいわね。
この扉……」
武虎「…でも…神秘的で…すごく綺麗」
目的地の場所へ着いた。
目の前に瑠璃色の大きな扉が
そびえ立っている。
オーロラさん曰く、
扉は生者のみ開ける事ができ、
扉を開けて中に入ると、
この世に戻る事ができると…
「オーロラさん…武虎さん…
本当にありがとうございますっ
お2人がいなかったら…
私…ここまで辿り着けなかった…」
正直この2人がいなかったら、
私は絶対に死んでいたかもしれない。
そう思うとゾッとする。
よかった…
本当に2人に出会えて…良かった。
オーロラ「真澄さん…お疲れ様!
無事に案内できて、安心 安心
これで後は…あらっ?」
オーロラさんは途中で会話を遮り、
頭上を見た。
どうしたんだろう?と思い
続けて私も頭を上げると
空から3枚の手紙がひらひらと
降ってきた。
手紙は落ちながら、1枚ずつ
3人の手におさまった。
もしかして…この手紙
オーロラ「あっ…手紙の裏に
送り主の名前が書いている
魔王様とシリンヌ王子だ…」
武虎「付箋のお返事ですね…
折角なので見ましょう!」
武虎さんの言葉に頷き、
手紙の封を開け中身を見た。
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