第5話 人間を好きになった鬼の話②※武虎side
身体が熱くて…
頭がグラグラして苦しい…
久しぶりに体調を崩したな…
お仕事のしすぎが原因?
それとも雛美火王子の恐怖が原因?
…そんな理性的な事じゃなくて…
今は取り敢えず…
熱くて
痛くて
苦しくて…
身体がとてもしんどい…
動かす事もできない。
いつまで続くんだろう…
この症状は…
真っ暗で何も見えなし…
私は…どうなっているの
この苦しみはいつまで続くんだろう。
………………………………………………
………………………………
……………………
…………
暫くして、身体が動くようになり、
症状も軽くなった。
やがて、一筋の光が差し込み、
視界が一気にパァァと明るくなり…
「………ぅ…」
目を覚ましたら、寝台の上にいた。
「……ここ…どこ…」
あれ…私…さっきまで雛美火王子と
お話ししていた筈じゃ…
辺りを見渡そうと目を下にむけた時、
服装が変わっていたのに気がついた。
いつもの作業着ではなく、
寝着になっている…
「なっ…なんで?!
えっ…?!」
…誰かが私を着替えさせた?
それだとまずい!!
私、女とバレないように
男装しているのに!
一体誰が…
それに…
「…………っ////」
下着姿…見られたんだよね…
はっ…恥ずかしい////
下着だけは誰にも見られないから、
私の好きな花柄で女の子らしい物を
身に付いている…
カァァァ…
急激に顔が赤く、熱くなる。
男装バレの恐怖より、
下着姿を見られた羞恥心の方の上回った。
ガラガラ…(扉が開く音)
扉がそっと開く音がした。
焔火「武虎!目を覚ましたんじゃな!
身体は大丈夫か?」
「国王様……」
焔火国王が水と漢方薬をおぼんに乗せ、
中へ入ってきた。
焔火「熱は…だいぶ下がったな
…良かった目を覚ましてくれて」
カタンとおぼんを机に置くと
私の額に手を合わせた。
ヒンヤリとして、
とても気持ち良かった。
それに白檀がふわりと香る。
良い香り、焔火国王はお香でも焚いているのかな…
「国王様…迷惑をかけてすみません
この部屋は一体どこでしょうか。
…私は何日程、寝ていたのでしょうか」
焔火「謝るんじゃない、
儂の方がすまなかった
無理をする程、仕事をしていたとは…
気づけなかった…
そうじゃな…お主は2日程、
意識がなかった…本当に肝が冷えた…
あと、此処は儂の部屋じゃ」
「………えっ?!」
焔火国王の部屋?!
思わず耳を疑い寝台から
転げ落ちた。
ドスン!!
焔火「!!大丈夫か?!武虎」
「国王様…大丈夫です…あの
差し支えなければ、
聞きたいのですが…」
焔火「なんじゃ何でも言ってくれ…」
「…私の着替えは何方がしてくれましたか」
焔火「…………」
焔火国王は顔をそらし、
えー…とそれは…言葉の歯切れが
悪くなった。頬も赤く染まってる。
…まさか………
焔火「…すまん…儂じゃ…
男装バレを防ぐ為に…その…」
やっぱり、焔火国王だった。
「……そ…そうだったんですね////」
焔火「でっ…でも!!見ないように
努力はした!服しか変えてない…
すまぬ気分を悪くしないでくれ」
あわあわと顔を赤く染め、
慌てる焔火国王。
なんだか可愛いと感じてしまった。
…それに焔火国王に身体を見られても
嫌じゃない…
「きっ気にしないでください。
着替えまでありがとうございます////」
むしろ…これで私を女性として
意識して欲しい……
…………。
あれ…私…今なんて思った?
今思えば、此処からだったかもしれない。
焔火国王に意識し始めたのは…
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