第10話 久しぶりの元の生活(アップルパイ)②
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元の世界に戻ってから…
母さんと黒夜ちゃんで
ショッピングもしたし、
旅行もした。
※黒夜ちゃんは人々に
バレないように隠して…
親友と久しぶりに会ってお茶もした。
そして5日目、現在の私は…
「和菓子…うまっ…おはぎに
豆大福……」
黒夜「きゅー!きゅっ(流石、緑 和菓子も美味しいなんて)」
母さんお手製の和菓子を頬張りつつ
緑茶を啜っていた。
緑「2人とも褒めすぎだって!
あれっそう言えば…黒夜ちゃんって
狐だよね…和菓子食べても大丈夫だっけ…?」
黒夜「きゅっ?!きゅーきゅー
(えっ?!だっ大丈夫だよ、今の所、
体調崩してないし)」
緑「そっか!なら安心した。
ん?どうしたの真澄?」
「……母さん…黒夜ちゃんの言葉
わかるの?」
私には鳴き声にしか聞こえないのに
黒夜ちゃんの言ってる事が理解できるなんて
すごいな…
「そうねぇ…子供の頃から
動物の言っている事は何となく分かるわ。
それより真澄…もう決まったの?
これからどうして行くか…」
そう言って、コトンとコップを置き、
じっと私の目を見据えた。
「………うん決まったよ母さん
これからどうして行きたいか…」
ずっと、ずっと考えた
私は何がしたいのか、
どうしてゆきたいのかを…
このまま、クモード王国に戻らず、
元の世界で当たり前だった日々を過ごすのも
いいかなとほんの少し思った。
でも……
「母さん、私やっぱりクモード王国に戻るよ
やりたい事をまだ成し遂げていないから。」
お菓子を多くの人々に知ってもらう野望を…
不思議だよね、最初の頃なんて
元の世界に早く戻りたい一心だったのに…
緑「そう…それが真澄が決めた事なのね
わかったわ、応援する。
でも何か辛い事があった場合は
必ずメールするのよ いいね?」
母さんはすっと小指を差し出した。
「わかった。ちゃんと連絡する。」
私も小指を差し出し母さんの小指に絡め、
2人で指切りげんまんをした。
緑「ーーーー指切った。
……きっと昔の貴方ならここの生活を
選ぶでしょうね。今の真澄の様子だと
クモード王国で仲間や友人、
大切な人に出会えたのね。よかった。」
「うん素敵な人達だよ。みんな!
オキニスさんに…ピンキーさん…
ヨーグルさん…ルビーさん…
みんな、違う世界から来た私に優しく手を
差し伸べてくれた。」
緑「ふふっ真澄の顔を見てれば分かるわ
特にオキニスさんの話をしている時なんて、
貴方、愛おしそうな表情をしていたよ。
好きな人がいればクモード王国を選ぶのも
なおさらね」
黒夜「きゅー!きゅう きゅう
(たしかに!真澄 オキニスさんの話している時
嬉しそうだった)」
「……え?愛おしそうな表情…
好きな人…?…」
……気づかなかった、私そんなつもりは…
何時から?
あと母さん今なんて言った?
(好きな人)って聞こえたよね
誰が誰を?
この内容からすると
私が…オキニスさんを……?
「………………」
緑「もしかして…気づいていなかった?
てっきり、自覚している物だと思っていたよ
オキニスさんの事好きなんだなって……」
…私はオキニスさんの事が好き。
異性として好き。
ごちゃごちゃとしていた事が
ストンっと胸に落ちた。
「…………っ///!!!」
理解した瞬間、ボッと発火するように
顔が熱くなった。
緑「あらあらあら、いま気付いたのね
良かった真澄もこれで一安心!」
「えっ私…えっえっー?!
だってオキニスさんは8歳も離れているのよ
この世界だと高校2年生の子に恋だなんて…」
口でそう言っても
頭では口付けした日、
あの時 微笑んだ彼の顔が
思い浮かんでは、中々消えてくれない。
……あぁこれだと認めるしかないじゃない。
「…うん…うん 私、オキニスさんの事が好きなんだ」
緑「真澄…その気持ちは大切にしなさいよ。
オキニスさん、年下だったのね。
でも母さんはね誰かを好きになるのは性別も
年齢も関係ないと思う。」
「…母さん…ありがとう…
…でも、この世界の世間体として流石に17歳の子に25歳の女が想いを告げるのは良くないと思うから
オキニスさんが…高校の卒業の月…
…18歳ぐらいになったら想いを告げるね」
緑「えぇ頑張りなさいよ真澄。」
黒夜「きゅー(僕も応援するね)」
そう言って、母さんは私の頭を撫でてくれて、
黒夜ちゃんは私の手に頬ずりをしてくれた。
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