一方、クモード王国では⑥(オキニスside)

……………………………………………………


……………………………………………




ここは、クモード城の中にある庭園


この時期になると一面中、

秋桜やダリアなどの秋の花々が

咲き乱れ、花の香りが漂う。


シリンヌは辺りを見渡し、

人がいない事を確認して…


シリンヌ「……ここなら人は居ないな」


バササッ と音を立て

その場へ舞い降り

ピンキーをそっと降ろした。


……………………………………………………



※ここからシリンヌとピンキーの

会話になります


シリンヌ…シ

ピンキー…ピ


シ「…ピンキー会いたかった

2人きりで話すのは久しぶりだな…」


ピ「……シリンヌ様…申し訳ございません

中々会いに行けず…」


シ「シリーニャ!それと標準語!!」


ピ「あっ…はっはい! じゃなかった

わかったわ それと…シリーニャ君

あの…なんだか少し…近いような…」


シ「……気のせいだ

それよりクモード王国は住民総出で

真澄さんを探して時間が

取れなかったんだろう。気にするな」

(側にいないと…すぐ逃げられるからな

やっぱり避けられるのは分かっていたけど

実際にされると心が痛いし、しんどいな……)


ピ「……そうかもしれない…でも

それは私にとっての言い訳よ…

会える時間なんていくらでも作れたの」


シ「どう言う意味だ?

会える時間は作れただと……

…もっもしかして俺に

会いたくなかったのか?!」


ピ「違うわ!……えっとね本当の事言うと

前よりシリーニャ君の顔を

ちゃんと真っ直ぐ見れなくって…

嫌いとかじゃないのよっ

貴方が眩しく見えると言うか…

なんだか照れくさいと言うか…


そっそれに、胸の動悸も早くなって

自分がよく分からなくなっちゃって…


恥ずかしさで…変に避けてしまって

…ごめんなさい」



シ「っ!!……ピンキー

……今、言った事は本当か…

信じていいのか?」

(本人は自覚していないが、

今のピンキーの言葉…まるで俺を好きだって

言っているようなものだ。

聞き間違えじゃない…嘘じゃない…

夢みたいだ…叶わないと思ってたのに

すごく嬉しい……)


ピ「? ええ、本当よ

親友に嘘なんて付かないわよ

私、どうしちゃったのかしらね


ありのままの貴方と親友になりたいって

言ったのに…


結局、私の行動でシリーニャ君に

迷惑かけちゃって…

ごめんなさっ……」


シ「迷惑じゃない!!謝るな!

それに安心しろ俺は…ピンキーの事を

親友だなんて一度も思ってない」


ピ「……えっ…そんな…

じゃじゃあ…知り合いとか?

それとも顔見知りかしら…

……!! えっ…ちょっとっ…

シリーニャ君?!」


ガバッ!!

(シリンヌがピンキーを抱きしめる)


シ「そんな訳あるか……

ずっと…ずっとっ好きな女として

みてきたんだ…」


ピ「シリーニャ君……////」


シ「ピンキー…今から俺の質問に答えてくれ

今、俺に抱きしめられているが嫌か?」


ピ「……ううん…嫌じゃない////

むしろ…あっあったかくて安心する」


シ「……じゃあ、これは……?」


ピ「へっ?! あっ…あの!

シリーニャ君?!顔が近いわっ///

一旦離れっ……」


シ「ピンキーが答えるまで離さない

嫌? 嫌じゃない?」


ピ「…………いっ…」


シ「答えて ピンキー」


ピ「……嫌じゃないです…////」






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………………………………………………



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ダージリン「ココレット…すぐ戻ってくるから。いい子で待っててな」


ココレット「分かりました

行ってらっしゃい!ダージリンさん

オキニス様」


ココレットちゃんには、

門前に待っててもらい

俺とダージリンさんは

クモード城内を探した。


探して数十分後、

庭園で2人を見つけたが…


ダージリン「あんのっ…強姦男が!姉貴に

ベタベタと!!」


ダージリンさんの言った通り、

やっぱり、2人にするのは良くなかった。


今にもシリンヌさんがピンキーさんに

口付けしようと顔を近づけて


ピンキーさんはそれを阻止しようと

顔を背けたり、必死に押し返したり

しているが、 シリンヌさんがガッチリと

ホールドしている為、ビクともしない。


ピンキー「シシッシリーニャ君

だだだだ駄目よ!はっ離れて!!」


シリンヌ「ピンキー…

緊張しているのか 可愛い…

大丈夫、優しくするから」


……俺は以前、真澄に同じ事をしたから

止める権利はない。という事で…

ダージリンさん!!


バッとダージリンさんを見ると、

ダージリンさんは頷き、

大きく息を吸って……


ダージリン「こらぁぁぁぁ!!

クモード城で何やっとんじゃ

わぁれれぇぇぇ」


辺り一面中にダージリンさんの

怒鳴り声が響き渡った



…………………………………………………



………………………………………………




シリンヌ「あと少しで、ピンキーと

口付け出来たのに…」


ダージリン「おっ…おま…なんて破廉恥な

良かったぜ 間に合って…」


その後、シリンヌさんとピンキーさんを

連れ戻し


仕切り直しで いよいよ出発…


「ダージリンさん、シリンヌさん

そろそろ行きますか…」


ダージリン「おう!そうだな

姉貴、ココレットを頼むな」


ピンキー「任せて! ダージリン

真澄ちゃんをお願いね」


ココレット「ダージリンさん

ちゃんと戻ってきて下さい

約束ですよ!」


ダージリン「おう!任せろ

ちゃんと真澄を連れて

無事に帰ってくるからな

行ってきます!」


ダージリンさんは2人に

にっと笑うと背をひるがえし歩き出した


続けて俺も…


「父さん、母さん 皆さん 行ってきます

俺がいない間クモード王国を頼みます」


リール「無茶だけはするな!

必ず生きて帰って来いよ」


ルビー「オキニス 母さん達は大丈夫だから

どうか…無理だけはしないでお願いよ!」


城の従者「「ご武運祈りますぞ オキニス様」」


答えるよう俺は

父さんと母さん 城の従者達に手を振り

ダージリンさんの後を追った。




そして…シリンヌ王子は…


シリンヌ「じゃあ ピンキー…行ってくる」


ピンキー「ご武運を祈ります

どうか 無理だけはなさらないで

下さい」


シリンヌ「……ああ ピンキー…」



おもむろに彼女の髪を掻き分けると

ちゅっ と音を立て

額に口付けを落とした。


大勢の人がいる前で…


ピンキー「へっ……いっ今?!」


シリンヌ「…全部終わったら

俺への気持ちに気づてくれよ

また、会いに行く」


シリンヌさんは悪戯っぽく笑みを浮かべ、

俺たちの方へ走り出した。




「よし!行くぞ 2人とも!!」


ダージリン・シリンヌ「おう!!」



お互い、顔を見合わせ頷き、

俺たちは妖怪の溜まり場

牡丹王国へ足を進めた。

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