おまけ 男子会①

……………………………………………………



…………………………………………


…………………



真澄が何者かに攫われている一方で…




ダージリンは困惑していた。



ダージリン「………………」



なぜなら…


オキニス「第一回を記念して…

『男子会』を開催する!」


シリンヌ「よっ待ってました!!」


女子会ならぬ『男子会』と言う、

意味のわからないイベントが

開催されていたからだ。



………………………………


……………………………



(ここからダージリン目線)


いや待て待て待て…

可笑しいだろ!!


男子会ってなんだよ?!

意味わかんねーよ


特にシリンヌ王子っ!!!


お前、あの騒動からまだ1日しか

経ってねーのに、どんな神経してんだよ!



突然、俺様の目の前に現れては、

嬉しそうな表情で…


シリンヌ「男子会をするぞ!

もちろんオキニスもいる。来い!」


有無言わせず俺様を掴んでは

転移呪文を唱え、シラトス城に拉致られた。


シラトス城に着くやいなや、

オキニス様がいて、俺様を見ては

申し訳なさそうに手を合わせていた。



……成る程…こいつが事の発端か…


あとで覚えてろ!!


こうして…俺様は仕方なく

男子会に強制的に参加。


「…参加はするが…シリンヌ王子

姉貴が許しても俺様はまだ

許した訳じゃないからな」


シリンヌ「分かっているダージリン

俺はとても反省している(シュン…)」


オキニス「まあまあ2人とも

あっ、お土産を持ってきましたので、

食べて下さい」


ドン!!


机に置かれたお土産は

とんでもない物だった。


「……何だこれ……」


目の前に緑色をした何かの肉に

ボコボコと音がする赤い液体……

食欲が失せる…


オキニス「何ってシラトス王国の名物、

魔獣の炭火焼と魔獣の生き血ワインですよ」


シリンヌ「…流石、オキニス……

お土産のチョイスが良いな

いただきます!」


お土産にがっつく2人…

その姿を見て、俺様は

魔族と狼の獣人だから食えるのかと

妙に納得した。



「……俺様はいいや….

持参の紅茶でも入れて飲むわ……


……ところで…お前ら…

男子会と言っても何するつもりなんだ?」



男子会なら…やっぱり……


枕投げやチャンバラ、趣味の話…

冒険の話、かっこいい武器の話……



……なんだろうな…

それなら話題がいっぱいあるから、

きっと楽しい男子会になるはず…


ワクワクして2人を見た



……が、2人の答えは……



シリンヌ「……それは勿論!恋愛話一択だ」


オキニス「恋バナいいですよね!

俺も2人に相談したい事があるんですよ」


「………………」


……冗談じゃない…

この2人は嫉妬深いし、

独占欲が半端ない。


そのうちの1人は強姦しているし…


まともな思考じゃない…

絶対に話の内容がエグいって…


…恋愛話となるなら…


すぅ…(大きく息を吸い込む)



「俺様っ帰る!!!」


そう大声で叫び、俺様は

シラトス城から逃げ出そうとしたが、


グルルルッ!!(魔獣)


外を出れば、危険な魔獣…


オキニス「ダージリンさん逃がしませんよ!

今回については貴方が1番重要なんです!」


シリンヌ「ダージリン…諦めろ

俺らから逃げられるとでも?」


城の中にはオキニス様にシリンヌ王子…

化け物級に強い2人…



完全に負け戦。

……こんなの逃げられっこない…


結果……


「…………わかったよ 逃げねーよ

お前らの恋愛話を聞くし

相談にも乗るよ!」


俺様は手を上げて降参の意を示した。



オキニス「ありがとう!ダージリンさん

よろしくお願いします!

では、まずシリンヌさんからどうぞ!」




シリンヌ「分かった じゃあ…まず、

俺から… 好きな女が…俺に怯えてられていて、俺が全面に悪いのは分かっているのだが……どうしたら関係修復…いや…


前の関係より深い関係になりたいんだが、

何か良い方法はないか?」



オキニス「シリンヌさん…怯えられているって…その人に何したんですか?」


シリンヌ「………我慢できずに

押し倒し…暴れないように手首を縛って

相手の同意なく処女を奪った………」


オキニス「……何て事を……って

ダッダージリンさん?!」


…襲われた事は分かっていたけど

まさか、姉貴がそんな目に遭っていたとは


……怒るな…怒るな…俺様…

姉貴はシリンヌ王子を許しただろ…


あぁ、その綺麗な顔面を

思いっきり ぶん殴りてぇ!!


殴りかかりそうになる拳を片手で抑え、

落ち着く為、大きく深呼吸をした。



オキニス「……シリンヌさんの好きな人ってピンキーさんですね…(ダージリンさんが

鬼の形相になっているから…相手は確実に)」


シリンヌ「…あぁ、よく分かったな

…それで、何か良い方法は無いか?」


オキニス「……えっーと…

俺から言うのも何ですが

良い案は……無いですね

もし、俺がピンキーさんの立場だったら、

相手の顔を見たくないですし、

許さないでしょうね」


シリンヌ「………そんなっ」



オキニスの言葉にシリンヌ王子は

顔面蒼白になり、泣き出しそうになった。


……てか おいっオキニス様…

シリンヌ王子よりかはマシだが、

お前も人の事は言えないだろ。


聞いたぞ、真澄本人から、

いきなり口付けされたって

しかも彼女にとってのファーストキス

らしいぞ!それ!!


……はぁ、しょうがねーな…

シリンヌ王子、泣きそうだし助け舟でも

出しますか、ちゃんと反省しているようだから…



「シリンヌ王子…まずは深い関係なる前に

姉貴との関係修復が先だ


そうだな…まず始めは、

姉貴と真っ直ぐ目を見て話せる所からだ」



シリンヌ「ダージリン!」


「おいおい、泣くなよ 話は終わってねー

えー…おほん!それでだ!

姉貴がシリンヌ王子の目を怖がらずに、

素のままで話せたら、


次のステップに進む

一気に関係を深めるんじゃない

一歩ずつ距離を縮めるんだ!


今の時点で触れたりしたら、

今度こそ嫌われるぞ姉貴にっ」


オキニス「なるほど距離を一歩ずつ

進めるか……今度俺も実践しよう…

と言うかピンキーさん、シリンヌさんの事

許してくれたんですね…心が広い……」


シリンヌ「あぁ…今度こそ

傷つけるような事はしないっ

…ダージリン」


ポンっと俺様に何かを渡してきた。

手元を見ると それは…聖水だった。


「……しかも超効力がある聖水じゃねーか

…かかったら火傷だけじゃすまねーぞ

なんで俺様に…」


シリンヌ「万が一…ピンキーが

俺のせいで泣いた場合

その聖水を俺に向かって ぶっかけろ」


……この男…覚悟が出来てる…

…姉貴が大切なんだとヒシヒシと伝わる。


……あぁ…これじゃあ邪魔もできないし、

応援するしかない


「分かった 泣かせたらぶっかけるからな

シリンヌ王子…今度は姉貴を泣かすなよ

………頑張れ……」


シリンヌ「!!ありがとうダージリン…

いや…義弟よ」


「気が早えーよ!!!」



こうして…シリンヌの恋愛相談が、

終わった。







→男子会③ オキニスの恋愛相談へ続く。

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