第11話 9個目の和菓子(抹茶わらび餅)②
その後、試作品のわらび餅は
会議がひと段落がついた
オキニス君達にも提供した。
彼らは、呉紅店主と同様、
目を輝かせ、嬉しそうにわらび餅を
食べてくれた。
翠狐「うまっうま!!
これ絶対国王様からオッケー貰えるよ
なんたって真澄さん達の和菓子の
虜になっているし!」
シリンヌ「ピンキーが自慢していた
真澄さんのお菓子…
噂通り美味しいな」
ダージリン「数ヶ月ぶりに食べたな
真澄のお菓子、懐かしい
姉貴にも食べさせたいぜ
……それと」
"良かったなオキニス様"と
ダージリンさんはオキニス君の
肩をポンっと叩いた。
オキニス「…………はいっ
本当に……」
オキニス君は、ぼろぼろと涙を流して、
笑みを浮かべていた。
「オキニス君……」
オキニス「……っすみません
今日はなんだか俺…涙脆いですね」
「…………………」
……彼は私を迎えに行く為、
遥か遠くにあるクモード王国から
牡丹王国まで…
道中も牡丹王国に入国してからも
誰にもバレないように
気を引き締めて…常に緊張し続けて
まだ、17歳…
私の世界じゃ高校生
未成年じゃない
やりたい事もきっと我慢している。
……私、年下の貴方に
今まで守られてばかりだったね
だから、今度は……
私が彼を守る番
頑張る番だ。
私はオキニス君の片手を
ぎゅっと両手で握りしめた。
オキニス「真澄……?」
「オキニス君、今まで協力してくれて
守ってくれてありがとうございます
私、クモード王国に戻る為、
残り2つ…和菓子作り頑張ります!
だから…もう少し待って貰えますか
大丈夫、私はちゃんと戻って来るから!」
オキニス「真澄…はい、俺は待ち続けます
…だけど、無理はしないで欲しいです
これだけは約束できますか」
「はいっ!勿論です じゃあ…
約束を破らないように【指切り】を
しましょうか」
オキニス君の手を一旦離し
すっ…と小指を差し出した
するとオキニス君は
キョトンとして
オキニス「指切り…?」
首をコテンと傾けた。
…他のみんなも…
ダージリン「真澄っお前、なんて
物騒な…指切りだって?!」
呉紅店主「……えっ…まさか
指を切るのですか?」
シリンヌ「……指を切るなら
痛みがないように魔法をかけるが…」
…知っている人はいなく、
この世界では
【指切り】が存在していない事が
分かった。
…というか
みんなの様子がおかしい
何か勘違いしている!
「あの【指切り】は
本当に指を切る訳じゃございません
私のいた世界のお呪いで……(説明中)」
【指切り】が怖くない事を
一から説明して、みんなが納得した上で、
指切りを開始した。
「じゃあ、オキニス君 失礼します」
さてと、小指を絡めてと…
オキニス「…………っ…………////」
(…なんか、色っぽい握り方だな////
…真澄…この様子だと無意識で
やっているのか!?)
翠狐(……へぇ、お呪いと言いつつ
好きな人と触れられるなんて
最高じゃないか!今度、蓬としよう!)
呉紅店主(なんだか 素敵な触れ方ね
異世界の約束を守るお呪い…
どんな風にお呪いをするのか
楽しみだわ)
たしか…歌は…
「指切りげんまん 嘘ついたら針千本のます 指切った!」
歌い終わったら
勢いよくを切る
「うんっこれできっと
大丈夫 ありがとうオキニス……君」
顔を上げると
私以外の全員はガタガタ震えていた。
オキニス「……………………」
ダージリン「……………………」
シリンヌ「………………歌…こわっ…」
呉紅店主「……………………」
翠狐「…その歌なら……蓬とするのは
…辞めとこうかな」
……あっこれは…
まずかったかな
…とっとりあえず
「……えっと……ごっごめんなさい…」
こういう時は
ちゃんと謝ろう。
その後、何故だかオキニスさんに
「真澄は謝らないで下さいと」と怒られ、
滞在時間が許される限り、
何度も【指切り】をした。
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