おまけ 好きな人談義

…………………………………………………



2日前、母さんと黒夜ちゃんを

呼び寄せる際、翠狐さんはこう言った。


翠狐『…じゃあ呼び寄せのお礼は

蓬の事でお願いしようかな?』


この時の私は、翠狐さんは

蓬ちゃんを孫のように

心配しているのかなと思って…


『分かりました翠狐さん!

私の分かる範囲ですが、

蓬ちゃんの事でお話ししましょう

もちろん、和菓子と抹茶つきで!』


翠狐『やった!ありがとう真澄さん』


お茶会…いや、蓬ちゃん談義を決定した。




……それが、2日前の出来事。



……………………………………………………




……当日…


※ここから会話のみになります


真澄…ま

翠狐…翠



翠「今から、恋愛話を始めまーす!

真澄さん今日は宜しくね」


ま「えっ?!恋愛話……もしかして、

翠狐さんって蓬ちゃんの事…」

(年の差なんて軽く3世紀近く離れてるから

てっきり、お爺ちゃんと孫の関係だと

思ってた…)


翠「うん、お嫁さんにしたい方の好きだよ

恥ずかしながら、僕の一目惚れ…

えへへ… 」


ま「そうだったんですね……そっか

…誰かを好きになったら年も種族も

関係ないんですね…なんだか素敵です」


翠「……ねえ…真澄さんって…」


ま「はっ…はい……」


翠「好きな人いるでしょ?

僕と同じ、年下の人だよね!」


ま「………!!……はい///

すごい…どうしてわかったんですか」


翠「なんとなくだよ…僕と考え方が似てて、

で?!何才年下で、相手はどんな人なの?」


ま「えっと、8才年下の方で…

白狼の獣人の方です…」


翠「へぇーいいな…たった8才差か…

羨ましい、僕なんて相当年が離れているから

…異性として見られているかどうか…

白狼の獣人って珍しいね……」

(知っている人物が1人いるけど

…あの人はクモード王国の王子だし

違うよね…女性に興味がないって

噂で聞いたし…)


ま「たしかに…その方もあまりいないって

仰っていました 翠狐さん…蓬ちゃんは

きっと翠狐さんの事を慕っておりますよ

なぜなら、彼女のお話の大半は翠狐さんの事ですもん!」


翠「えっ?!それは本当かい?!」

(蓬が僕の事を……慕ってるって…

期待していいの?いや、期待しちゃうよ)


ま「はい、よく私に話してくれます

一緒に桜貝町へお出かけしたとか…


あと、翠狐さんが喜ぶようにお稲荷さんを

作って、私に味見のお願いもございました」



翠「あの時のお稲荷さん!

蓬が作った物だったの?

てっきり料理長が作ったものだと…」


ま「他にも煮物やおにぎりも全部

蓬ちゃんが作っていたんですよ

蓬ちゃん…恥ずかしくて

言えなかったんですね」


翠「……そっそうだったんだ///

そっか…そっかぁ、僕の為に…

嬉しいな…」


ま「ふふふっ良かったですね

あっ…あのこの内容は蓬ちゃんの前では

聞かなかったふりをして

いただけないでしょうか」


翠「どうしてだい?」


ま「蓬ちゃん、恥ずかしがり屋なので、

知られてしまうと、距離を取られる可能性が…」


翠「…そうかも…やだよ…これ以上

距離を取られるの。只さえ今の距離にも

物足りないぐらいなのに…

分かった聞かなかった振りをするよ!


それと…ありがとね

僕、不安だったんだ…年も相当離れてるし…

真澄さんの話を聞いて自信がついた!

よし!これを機に僕なりに

アピール頑張るよ」




ま「その調子です!翠狐さん

私も協力します!」


翠「ありがとう 真澄さん

じゃあ、次は真澄さんの番ね」


ま「へっ……わっ…私!?」

(翠狐さんも話してくれたし…

私が話さないなんて駄目だよね…)


翠「ねっ いいでしょう?

折角だし話そうよ!なんなら、

僕なりにアドバイスもするよ」


ま「……わっ…分かりました……

私の好きな人は……」


翠「うん うん…どんな人」


ま「優しくて私より年下なのに

とてもしっかりしているんです

それに…綺麗な方なので…

女性にとてもモテるんです」


翠「……なにそのイケメン…

でっ?そのイケメンさんのお名前は?」


ま「そういえば名前を

言っていませんでしたね

【オキニス】君って言いまして

17歳なのに…もう働いているんですよ

クモード城の騎士として

凄いですよね…」


翠「へぇぇ…オキニスって言うんだね…

……その人とはどんな風に知り合ったの?」

(白狼で名前がオキニス…

そしてクモード城にいる……

…それに当てはまる人物なんて

ただ1人しかいない…クモード王国の第1王子

オキニス・ブランシェ!!


たしかに美形だし、女性にモテるって

聞いたな…でも彼って女性に興味がないと

言う噂も…)


ま「えっと…私が異世界転移して

森へ彷徨った所、オキニス君に出会いました

それで見ず知らずの私をクモード王国に

案内してくれたんです」


翠「なるほどね

それが2人の出会いなんだね

真澄さんはすぐに彼を好きになったの?」


ま「いえっ

…最初は可愛い弟みたいな感じでした

けど…彼の優しさや誠実さに触れて、

いつの間にか好きになってしまいました


なっなんだか恥ずかしいですね

好きになったキッカケを話すなんて」



翠「何それ素敵!!

可愛い弟だと思っていたのに

いつの間にか異性として恋愛感情を抱くとか

僕そういう恋愛すっごく好き!!

それで?彼の優しさって何して貰ったの??」


ま「私には勿体ないぐらいです。

生活面では住民登録をして貰ったり、

広い家を用意してくれたり…

お仕事も紹介してくれました

他にも色々と……(略)」


翠「わぁ…優しさと言うより

……いやなんでもない!」

(それは【優しさ】の度を超えているよ!

話を聞いてると…もしかして……

オキニス王子も…真澄さんの事……)


ま「なので、私も何か出来る事はないか

考えて 彼にお菓子を作ったり、

クモード城でお菓子を販売したりと

しているんですが…でも

それだけじゃ足りないですよね」


翠「何言ってるの!!

充分やってるじゃん

お菓子には真澄の愛情が篭っているし

大丈夫だよ!足りてるよ」


ま「あっ…愛情っ////

ありがとうございます

そう仰ってくれるなら…安心しました」


翠「もう自信持ちなよ!

話を聞くとオキニスも

真澄の事を大切に思ってるし」


ま「えっ?! そんな事ないですよ////

こっこんな平々凡々な私を事なんて

そっそれに…オキニス君は

みんなに優しくてフレンドリーですし」


翠「……優しくて…フレンドリー…

どうしてそう思ったの?」

(いやいや、確かに優しいのは分かるよ

えっ…女性に対してフレンドリー?

あの堅物オキニス王子だよ?ありえない!!)


ま「……手を繋いでくれたり、

転びそうになったら支えたり、

とにかくきょ…距離が近くて…////

…それでフレンドリーだなって」


翠「なるほど…ごちそうさまでした

じゃあ真澄さん ここで僕からのアドバイス」

(もうそれ!完全にオキニス王子も

真澄さんの事が好きじゃん!!

彼の気持ちの方が重いよ絶対!

あぁぁ両片想いか 何その美味しい話!

情報量があり過ぎてもうお腹がいっぱい)


ま「はっ…はい!」


翠「真澄さん、飾らずにありのままの

自分でいてね!絶対に上手くいくから!」


ま「ありのままの私で

…はい、分かりました

翠狐さんアドバイス

ありがとうございます!」


翠「うん!どういたしまして

この調子でお互い上手くいくといいね」




……………………………………………………



………………………………………………



………………………………………




2人が恋話に盛り上がっている頃、

部屋から少し離れていた場所で


ある人物が唇を噛み締めていた。


雛美火「……っ…真澄さん…

…好きな人がいるんですね…

…しかもあのクモード王国の

オキニス王子とは…」


そう呟き胸に手を抑え、

その場から立ち去った。




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