第4話 ピンキーの悩み(オペラ)
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ーーー王国
ここではある計画が
秘密裡に実行されていた。
??の王様「この計画は我々の国の為だ
情けは捨てろ!必ず成功させるのだ!!」
ーー王国の家来達「「はっ!!」」
??の王様「ターゲットはこの黒髪の女だ
何やらお菓子という料理を作るらしい」
バンッ!!!
男が机に叩き出したのは
なんと真澄の顔が描かれた肖像画だった。
??の王様「いいか?この女を誰にもバレず、ーーー王国に連れて来い!」
ーー王国の家来達「「承知!行って参ります!」」
そう家来達は言うと
早い駆け足で走り出し、
あっという間に見えなくなってしまった。
ーーの王様「……頼むぞ…皆の者……」
誰もいなくなった部屋で、
ーーの王様は小さな声で呟いた。
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クモード王国に転移して、
ちょうど5ヶ月目…
お仕事をしつつ、クモード城にはカスタードプリンを納品したり、
月に一回 新作のお菓子を作って
自宅で販売する新しい挑戦を始めた。
少しずつだけど、自分の野望に
一歩進めたような気がする。
お仕事終わったら、
自宅で売るお菓子の案を考えるぞ!
ドンガラガッシャーン!!!
「?!なっ何事?!」
遠くの方で派手な音がした。
気になって音の場所へ
急いで向かうと……
「ピッ…ピンキーさん!!
大丈夫ですか?!」
仕事の書類を打ちまけ、
突っ伏しているピンキーさんがいた。
どこかを打ったのか痛みで
プルプル悶えている。
ピンキー「真澄ちゃん!だっ…大丈夫よ
なんとか…いたた…」
「私が書類を拾いますので、
ピンキーさんは痛みが引くまでじっと
してて下さい!」
ピンキー「……ありがとう真澄ちゃん…」
…いつも明るいピンキーさんが元気がない
やっぱり…何か変だ。
最近、ピンキーさんの様子がおかしい。
最初は気のせいかなと思っていたけど…
ここ数日の間、
上の空だし、よく転ぶ……
………まさか…ピンキーさん…
「……あのピンキーさっ……!!」
意を決して声をかけようと彼女を見た時、
彼女の紅い瞳からボロボロと
涙が溢れていた。
「だっ大丈夫ですか?!
何か辛い事があったんですか!」
これは何かあったんだ!
どどどうしようっ!!
取り敢えず私は落ち着け!
大の大人が慌ててどうするの!!
ピンキーさんを落ち着かせるのよ!
そっとピンキーさんの背中に手を置き、
彼女が泣き止むまで、
優しくさすった。
しばらくして…
ピンキー「ごめんなさい…突然 泣き出してしまって…もう…1人で抱え込むのは限界よ…
真澄ちゃん…今から話す事は私の独り言だと
思って聞いてくれないかしら…」
「はいっ…ピンキーさんのお役に立つのなら 少しでも話す事で楽になるのなら
私は親友として協力します!」
ピンキー「真澄ちゃーん…ぐすっ
じゃあ…話すわね…実は………」
ふんふん…えっ…えっー!!!
そんないきなりっ……
「その方、明後日…
ここの役所に来るんですか?!」
ピンキー「そうなのよ…もうやだ
どうしよう…私はただ…」
………数十分前の私へ
これは新作お菓子を作ってる場合じゃない
「…ピンキーさん…お仕事が終わったら
私の家で作戦を練りましょう
何もしなかったら、ピンキーさん…
攫われちゃいますよ…その方に…」
ピンキー「………嫌よクモード王国から
離れるなんて 真澄ちゃん…
よろしくお願いします!」
こうして、お泊まり会ならぬ、
ピンキーさんの人生をかけた
作戦会議が決定した。
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ダージリン「と言うわけで…
第4回女子会及び…
明後日の為に作戦を練るぞ!!お前らっ!」
「おー!!」
ピンキー「……2人ともありがとう…」
早速、今晩から私の家でピンキーさんと…
…と言っても私とピンキーさん2人じゃ、
不安な為、ダージリンさんを呼んで、
作戦会議が始まった。
なお、今回のお供はローズヒップティーと
フランスのオペラ座界隅で作られたと言われる、華麗なお菓子『オペラ』。
それを2人の目の前に置く、
いつもなら目を輝かせ、
必ずお菓子の感想を言う彼女は…
ピンキー「いただきます…」
手を合わせ、もそもそとオペラを口に
入れるだけ…
ダージリンさんは、
ズズッとティーカップに口をつけ、
元気ないピンキーさんをじっと見て
こう言った。
ダージリン「…姉貴…単刀直入に言うが
奴にどこまでされたんだ?」
ピンキー「………っ!!」
ゴフッ!!!
私はローズヒップティーを
吹き出しそうになったが、
今回は何とか我慢できた。
……が……
「ゲホッ ゲホッ!」
気管支に詰まらせ、
思いっきりむせてしまった。
「どこまでされたって……
てっきり私、その方に告白されて
返事を明後日に聞きに来るのかと……」
ダージリン「それもあるが、見ろよ
この姉貴の怯え様…絶対何かされたに
決まってるだろ
相手は誰だか知らねーが…よくも姉貴を
ギッタンギッタンにしてやる!!」
ぼきぼきと手を鳴らすダージリンさん、
顔に青筋を立て、
かなりご立腹のようだ…
ピンキー「…その方に……口付けされ…
押し倒されて……うっ…」
「…………ピンキーさん…」
ダージリン「……ほぉ…口付けに押し倒したと…」
ピンキー「あの日も他愛のない話をして…
終わるはずだった
なのに…突然…押し倒されて、
今まで言ってきた俺自身は嘘だとか、
本当の俺はっ…とか
悪いもう我慢できないって……
意味が分からないわよ…
私はあの人にとって信頼できる
友人じゃなかったの?!
私はあの人の性の吐け口なの?
うわぁぁん…」
自暴自棄になり大きな声で泣く彼女を見て
私はやるせない気持ちになり、
思いっきり抱きしめた。
「ピンキーさんっ…
すぐに気付いてあげられなくて
ごめんなさいっ!!」
なんで なんで…
早く気付かなかったの私!!
すぐ近くにいたのに…早く声をかければっ…
ダージリン「野郎…人の気持ちを無視して
…これは徹底的にやるしかねぇな
姉貴…その相手は誰なのか、
俺達に教えてくれるか」
そうだ…私も相手をまだ知らない…
一体誰がピンキーさんにこんな酷い事を…
…ピンキーさんは相手の名を言うのに
躊躇したがダージリンさんから
ダージリン「大丈夫だ姉貴…何があっても
俺様達は姉貴の味方だ!」
両手で肩を掴み論された為、
意を決して彼女は相手の名前を言った。
ピンキー「相手はシリーニャ君
…じゃなかった…シラトス王国
次期魔王のシリンヌ様
魔界の王子様よ…力も地位も…頂点
もし…逆らったら……」
次期魔王…聞いた瞬間ぞっとした
けれど……
ダージリン「はっ!次期魔王が何だよ
偉いからって何をして許されるって?
フザケンナよ!! 上等だコラッ」
「私もダージリンさんと同じです!
許せません!戦います!」
親友が傷ついているんだ、
私もピンキーさんを守る!!!
ピンキー「……ダージリン…真澄ちゃん…
ありがとう………よしっ!」
ピンキーさんは パン!と自分の頬を
両手叩いた。
ピンキー「もう泣くのはおしまい!
こんなの私らしくないわっ!」
ダージリン「やっといつもの姉貴に戻ったな
よっしゃ 作戦を立てるか!!」
「そうですね!時間も限られてますから
急がないと」
お互いに顔を見合わせ頷き、
私達は夜が明けるまで作戦を練り続いた。
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