第7話 オキニスside②オーロラへの回答


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思いっきり泣き叫んだら、

突っかかっていた物が

取れた様な気がして、

なんだかスッキリした。


「お見苦しい姿を見せて、

すみません……」


成人男性が泣き叫ぶなんて

今更ながら情けなくて、

恥ずかしい…


※この世界の成人は16歳から


ダージリン「いや、気にするなよ

俺様がもし、オキニス様と同じ立場だったら、

俺様の方がぜってー泣く。いや泣き喚く。」


「…ふふ…(俺様の方が泣き喚く)って…」


彼なりの励ましに心が温かくなる。

きっと、俺が落ち込まない様に

そう言ってくれたんだろう。


ありがとう…ダージリンさん。


だけど……男として

これ以上は泣きたくない。


真澄にはこんな情けない姿より、

頼れる姿を見せたい。



彼女が目醒めたら、泣かないように

できる限り笑顔で出迎えよう。


泣くのはこれでおしまい。


グイっと腕で涙を拭い、

ダージリンさんの方を見直した。








「ダージリンさん、早速ですが、

シリンヌさんの元へ案内してくれませんか?」





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ダージリンさんの案内の元、

シリンヌ王子達がいる場所についた。




…が、着いた場所は…


ダージリン「……さあっ……着いたぜ…

……はぁ…(ため息)入りたくねー」


「……あの……ここって

まさか……」


ダージリン「……………」


一般家庭の2階建住宅。

見た事がある…ここは…

ダージリンさん一家が住んでいる

チャイ家…。


…この家にシリンヌさんとシルク魔王が

いるなんて…冗談……


ちらっとダージリンさんを

見ると…青筋をたてて笑っていた。



ダージリン「あはは!いるぜ…2人とも…」


「…はい?!何かの…冗談じゃ……」


答える前にキッと俺を睨み、

また、俺を揺さぶった。



ダージリン「姉貴が心配だから!

支えたいからって住みつきやがった!!

逆に心労が溜まるわ!!姉貴も!俺も!親父も!

さっさっとシラトス王国に帰れよ!

無理なら王族専用の屋敷に泊まれぇぇ!!」


「落ち着いて下さいっ!ダージリンさん!」


彼はシリンヌさんとシルク魔王のおかげで、

ストレスが溜まりに溜まって、

ご乱心状態だ。


…その内…ダージリンさん倒れるんじゃ…


……いや…その前にピンキーさんに、

何かあったら…


妊娠について、

ストレスが続くと最悪、流産するって、

母さんから話を聞いた事がある。


……このままにしたら不味い…


「…ダージリンさん…俺が2人に

一度シラトス王国に戻る様に

説得してみます。」


ダージリン「!!本当か!

それは助かるオキニス様!言ってくれ!

じゃなきゃ俺達一家は

ストレスでやられてしまう!」


「ええっ任せて下さい!」


ダージリンさんに頷き、

意を決して…


ドン ドン ドン 


チャイ家の扉を3回叩いた。


当然、出迎えてくれるのはピンキーさんか、

2人の父親レーマンさんだと、

思っていた。


……が、

出てきたのは…





ガチャ!





シリンヌ「オキニス!待っていたぞ!」


シルク「朝からご苦労だったな

パンド国王から話を聞いたぞ」



一般家庭とは無縁な王族2人が

出迎えてくれた。


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