第7話 オキニスside① オーロラへの回答
…………………………………………
…………………………………………
…と言うわけで。
真澄の質問内容の答えを
便箋に送った後、
俺は本来の狼姿に戻り、
急いで、ラピスラズリの森へ向かった。
「グルル(全力で走るしかない)」
瞬間移動の魔法なんて、
高霊術だから、まだ使えない。
頼みの綱の移動装置は、
ラピスラズリの森行きは
存在しない。
だから、走って移動する
方法しか無かった。
本来の姿だと力が発揮できて、
早く走れる。
パンド王国からラピスラズリの森までは、
人間の姿で移動したら2日位かかるが、
狼姿になれば、半日ぐらいだ。
「グルル…(急がないとな…)」
次は…
真澄と共に行動している
良い幽霊さんの…
オーロラさんの
質問内容の答えを見つけなくては…
内容はたしか…
【シラトス王国の国王様と
第1王子が元気に過ごしているか】
だったけ…
オーロラさんは、シラトス王国の
従事者関係かな?
シラトス城で働くメイド服を
着ているから、きっとそうだろう。
ただ…
「グル…グルル(名前…何処かで
聞いた事があるような…)」
何処だったかな…
…………うーん……
思い出せない。
聞き覚えがあるのは、
俺の気のせいか?
……………………………………………
………………………………
……………………
…………………
……….…
12時間後…
「グッ…ググゥ…(なっ…長かった)」
峠を越え、ひたすら走り続けて
やっとの思いで、ラピスラズリの森の
入り口に辿り着いた。
朝にパンドール王国から、
出発したから、12時間も経てば、
辺りは真っ暗だ。
だけど…
「グルル…ガウガウ…ガウ
(扉がある…それに光はなって
綺麗だな…もしかして)」
普段、扉は透明になって
見えないはずだ。
この状態だと、扉に問いかけなくても、
開く事が出来る。
人型に変え、そっとドアノブに
手を回すと…
ガチャ…(扉が開く音)
予想は的中。
扉が開いた。
「……俺が来る事、
誰か知っているのか?
いや…まさかこんな夜に…」
ダージリン「待ってたぜオキニス様」
「ダッ…ダージリンさん!」
中へ入ると、
ダージリンさんが居て、
手をひらひら振っていた。
ダージリン「お疲れさん。パンド国王から
話を聞いたぜ。シリンヌ王子と
シルク魔王に用があるんだってな」
「はい、あの世にいる真澄から手紙がきまして…」
ダージリン「あの世……」
「ダッ…ダージリンさん…?」
ダージリン「あの世ぉぉ?!おいおいおい
何で平然としているんだよ!!」
ダージリンさんは、
いきなり俺の肩をガッと掴み、
揺さぶり出した。
ダージリン「あの世にいる?!
真澄はっ真澄は死んじまったのかぁ
嘘だと言ってくれよぉぉ!!」
「ダージリンさんっ落ち着いて…
下さい!!真澄は死んでいません!!!」
ダージリン「!!」ピタ!
揺さぶりが止まった。
ダージリンに激しく
揺さぶられたから、
視界がぐるぐるする。
「真澄はあと2日で目を覚まします!
安心して下さい!!」
ダージリン「ほっ本当かぁ…」
「はいっ傷の方は完全に治りましたし、
息もちゃんとしています!
あとは真澄が目を覚ますだけです!」
真澄の現状を伝えたら、
彼は涙ぐみ笑みを浮かべた。
ダージリン「…~たくっ真澄は!!
1カ月も以上も待たせんなよ!
目を覚ましたら、クモード王国に
戻ってくるだよな?
姉貴もココレットも喜ぶ!!」
「はい目を覚ましたら、クモード王国に
必ず連れて帰ります…っ…俺だって
俺だって……ずっと待ってたんですからっ
どれだけの思いでっ……」
ダージリン「本当に良かった、良かったな
オキニス様!おうおう真澄が
目を覚める前にいっぱい泣いておけ!
情けねー姿見せるな」
バシバシと背中を叩かれ、
スッとハンカチを渡された。
「…ありがとうっございますぅ……っ」
ハンカチを受け取ると俺は
情けなく声を上げて泣いて
しまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます