第9話 真澄、一旦 元の世界に戻る(アップルパイ)②
「……元の世界に戻る……」
ルビー「えぇ、実は私とオキニスで
元の世界に戻る方法と再びここの世界へ
転移する方法を探していたのよ。
そして…やっと見つけたの…
ただ、いつ真澄ちゃんに伝えようか
迷っていたけど………
今回の件で決心がついたわ……」
……私も自分なりに元の世界に戻る方法を
書物庫や資料を探していたけど…
ルビーさん達も探してくれていたなんて…
……こんな私の為……
うぅまた、涙が出そう。
我慢、我慢よ真澄。
……それにしてもルビーさん、
ルビー「オキニス許すまじっ!!」
めっ…メラメラしている。
普通なら息子のオキニスさんの肩を
持つべきなのに
どうして私を庇うのだろう…
三日月「それは、ルビー様も真澄さんと同じ経験をされた事があるんですよ。
だからとても怒ってるんです。
ちなみにそのお相手はオキニス様の
父親リール様です。
…全く血は絶えませんね…
私もルビー様と同じ気持ちです。
オキニス様には後でしっかり説教します。」
三日月さん
ご説明ありがとうございます。
表情を見ても分からなかったけど、
三日月さんもお怒りだったのね
ルビー「そろそろ
…オキニスがお城に戻ってくる。
その前に真澄ちゃんを元の世界へ…
みっちゃん!」
三日月「承知!今すぐ魔法陣を作りますので、ルビー様は真澄さんにご説明をお願いします。」
三日月さんはそう言いながら、
持っていた杖を上にかざし、呪文を唱えた。
三日月「ーーー!」
その間、ルビーさんが私に魔法道具や
転移の際の注意事項を説明してくれた。
ルビー「いい真澄ちゃん…まず転移場所は、
真澄ちゃんが、1番戻りたい場所に着くわ。
そして、先程渡した魔法道具は、
ここの世界…クモード王国に転移できる道具なの。」
「この…ペンダントが…
使い方はどの様に使用するのですか?」
ルビー「使い方は簡単よ。今日から1週間後、
ペンダントが光出すから、その時 首にかけるだけ…そしたらクモード王国に戻るから
ペンダントが光る時間は5分…
その間に首にかけなかった場合は
二度とクモード王国に戻る事ができない。」
「……二度とクモード王国に戻れない。」
それはつまり…
オキニスさん、ピンキーさん、
ここの世界の人々と永遠の別れと
いう事だよね…
ルビー「……本当は真澄ちゃんに
この世界の住人になって貰いたい
…オキニスも同じ気持ちよ。
でも……私はっ…
貴方に私と同じ人生を
歩んで欲しくないのっ!
だから…ネックレスを首にかけるか
かけないかは真澄ちゃん自身で
決めて欲しいの」
「ルビーさん……」
…そこまで考えているなんて…
1週間の期間もきっと私がどちらでも、
選べるように時間を設けてくれたんだ…
……この1週間の猶予…
ちゃんと考えなくちゃ…
貰ったペンダントをギュッと握った時、
三日月さんの声がした。
三日月「2人とも転移用の魔法陣が出来ました。すぐ消えてしまうので、真澄さんは早く
魔法陣の上にお乗りください!」
ルビー「……!!わかったわ、
真澄ちゃん急いで!」
グイッ!
ルビーさんは急いで私の手を引き、
魔法陣の中へと入れた。
それに続き、大きなリュックサックも
中に放り込まれた。
魔法陣が光輝く中、
ルビーさんは笑顔で
だけど悲しそうな表情で、
ルビー「いってらっしゃい。
せっかくだから元の世界の生活、
楽しんでね!お母さんにも
よろしく伝えといてね」
さよならとは言わず手を振ってくれた。
いってきます…ルビーさん…
私も悲しい顔をせず笑顔で手を振った瞬間
カッ!!とフラッシュバックに光が放ち。
眩しくて目を閉じた。
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………………………………
目を閉じてどれぐらいの時間が
経ったんだろうか…
気付けば、あの懐かしい林檎をシナモンで
煮詰めた香りがして…
???「………真澄! 貴方今までどこに行ってたの?!」
懐かしいあの人の声がした。
そっ…と目を開けると…
見慣れたアパートの部屋の中いて…
「母さん…」
目の前には1番会いたかった人がいた。
そして何故か母さんの隣には黒い狐がいた。
ああ、私…本当に元の世界に戻ったんだ…
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