第5話 不穏な気配(豆大福)②
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早速、次の日
蓬ちゃんが翠狐さんに
おねだり……ならぬ、協力を求めた。
蓬「お狐様 おっお願いがございまして…」
翠狐「えっ?!…なっなんだい?
僕に出来る事なら任せて!!」
(蓬からおねだりなんて…初めてじゃない?!
やばいっ!めっちゃ嬉しい)
「…………………………」こそっ
私と母さん、黒夜ちゃんは、
翠狐さんに見つからないよう
屋敷の裏で様子を伺っている。
緑(頑張れー 蓬ちゃん ふれっふれー!)
黒夜(きゅーきゅー!(外出許可は君にかかっているんだ ファイトー!))
蓬「私と真澄さん、緑さんに
和菓子の材料選びの為、
外出の許可をお狐様から国王様達に
お伝えいだけないでしょうか
あと黒夜ちゃんも……」
(えー…と ここで…真澄さんが教えてくれた技で……)
このおねだり作戦は成功する自信があった。
そう…以前、翠狐さんと恋愛話をした際、
彼はこう言ったのだ。
翠狐『あーあ…蓬が僕に
おねだりしてくれたらな
頭を少し傾けてさ
可愛くお願いって言ってくれたら
最高なんだけどなぁー
…まあ、あの子は頑張り屋さんだから
一生ないと思うけど…』…と
翠狐さん、その願い叶えさせて
あげましょう!
蓬ちゃん、いっけぇぇ!!
蓬「このお願いはどうしても
お狐様が必要なんです!」
(潤んだ瞳で指は交互に重ねて
声は可愛らしく…)
翠狐「……ほぁ…………」
蓬「お・ね・が・い お狐様
後でお稲荷さん作りますから…ね?」こてん
(頭を少し傾けるだっけ……うぅ恥ずかしい
本当にこれで上手く行くのかな)
翠狐「勿論だよ! すぐ国王様に
許可貰ってくるね!待ってて蓬!!
行ってきます」
(可愛いぃ あと潤んだ瞳が色っぽいって
待って理性が切れそうなんだけどっ
ダメダメ!ガッついたら蓬に
嫌われちゃう!!)
翠狐さんは蓬ちゃんに片手を
両手で持ちブンブンと振って、
その後、国王様ーと大声で叫びながら
走り去っていった。
蓬「……これは上手くいったのかな?
うぅ…恥ずかしかった…」
翠狐さんが去った後、
蓬ちゃんは頬を赤く染め
顔を手で覆った。
蓬ちゃん…ありがとう!
この恩は必ずお返しします…
私は両手を合わせ、
深々とお辞儀をした。
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その結果…
翠狐「蓬ー!国王様から
3人と1匹の外出許可貰ったよ
これからは外出して良いって…」
蓬「本当ですか?!嬉しい!
ありがとうございます!お狐様 」
なんと1発で外出許可を頂けた。
やはり、翠狐さんだと信頼性があるから
許可を出せたのかな
ありがとう蓬ちゃん、翠狐さん。
翠狐「ふふん!僕に頼めば
お茶の子さいさいだよ
だけど、今回は難しかったよ」
苦虫を噛んだ様な顔して、
私の顔を見た。
「えっ?!私…何かやらかしたんでしょうか」
翠狐「違う違う真澄さんじゃない
…実は最後まで外出許可を反対していた
人物がいたんだ それも真澄さんだけ……」
「私だけ……一体どなたが…」
何でだろう………あっそうか!
私は『クモード王国の人質』だからか
何かあったら不味いから
私だけ反対なんじゃ……
うんっ!きっとそうかもしれない!
翠狐「……雛美火様だよ
……真澄さん、もしかして
自分は人質だから
反対されても仕方がないって
思ってるでしょ」
「はっはい、もし、人質が逃走した
流石に不味いですし…
あっ…でも安心して下さい
私は約束を守る女です!!」
翠狐「でもさ…和菓子を作るには
アイディアやヒントが欲しいじゃない?
だったら、城の中にいるより、
外に出た方が色んな情報が手に
入れられるよ」
「それも……たしかに……」
翠狐「……これではっきりしたよ
真澄さん…雛美火様には注意して
できれば、2人っきりにならないで欲しい
蓬は出来る限、真澄さんの側にいて
くれないかな」
蓬「分かりました!任せて下さい
お狐様」
翠狐「ありがとう蓬…
そして…万が一 雛美火様が
2人に危害を加えそうになったら…」
お狐様は懐からお札数枚と
節分に使う様な豆を取り出し
翠狐「このお札は自分に貼ると
身を守る事ができて、
この豆は雛美火様の弱点…
危ないと思った時は彼女に
向かって投げてね」
使用方法を説明して
私と蓬ちゃんに手渡した。
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