最終回 異世界でお菓子屋さんを始めました!⑤ 終
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ついに…当日
場所はクモード城の庭園。
待ちに待った
お菓子パーティが開催された。
シルク「ジンジャー!コバルト!
見た事がないお菓子がいっぱいあるぞ!」
ジンジャー「落ち着いて下さい。魔王様
お菓子は逃げませんから。」
コバルト「魔王様、ジンジャーさん、
お菓子を取りに行ってきますね」
焔火「これが…武虎が作ったお菓子か…
どれどれ…うむ美味いぞ」
武虎「本当ですか!良かった国王様のお口にあって安心しました。」
パーティの参加者は各国の王族や家臣…
城の従業員達や…
ココナ上司「うまい!真澄さんのお菓子が
いつでも食べれたら…」
職場仲間1「本当よね…でも販売している場所がクモード城だけだから…勿体無いわよ」
職場仲間「そう言えば…真澄さんは
どこに居るんだろうね」
職場仲間…
ヨーグル「お父さん!貴方の大好きな
レッドベリィのケーキがあるわよ!」
ダーク「我の好物まであるとは…
頂こうヨーグル、息子達よ。」
アイリッシュ「やったーいただきます!」
ブルー「…………」じゅるっ
私に関わってくれた人々が参加している。
…えっ…当の本人は、
どこに居るかだって?
私は…お菓子の陳列場所で、
皆んなが持っていきやすい様に、
ケーキをカットしていた。
「ガトーショコラの取り分け完了
続いては…」
オキニス「真澄。こんな所にいましたか!
相変わらず、働き者ですね。」
「オキニス君!…お勤めお疲れ様です。
ケーキをカットしていました。」
煌びやかな王族衣装に身にまとう
オキニス君を見て思わず、
ビシッと敬礼してしまう。
オキニス「真澄もお疲れ様です。
…そろそろ挨拶が始まりますよね。
迎えにきました。」
「あっ…そうでした!
オキニス君ありがとうございます」
腕時計を見ると、挨拶する時間に差し掛かっていた。そう…この挨拶で私は【サプライズ】をする。
まだ、誰にも伝えていない秘密を、
この場でもって報告をするのだ。
オキニス「では、行きましょうか。真澄」
「はい……!!……」
オキニス君はニコッと笑うと、
自然と私の手を握り、
挨拶場所へと案内してくれた。
もちろん…恋人繋ぎだ////
道中、周りの参加者は私達を見て、
あたたかく微笑んでいた。
中には『お幸せにー!』と
声をかけてくれる人も…
……これ、私達の関係…バレたかな////
「あの…オキニス君////」
オキニス「ふふっ真澄は照れ屋さんですね。
着きましたよ」
挨拶場所に着くと、
彼はスッと手を離してくれた。
「えっ…あっ…此処ですね…
…緊張するな…ヨシッ!!」
パチンと頬を叩き、
気合を入れてから…
カツ カツ カツ
階段を登り、登壇に立った。
賑やかだった場の雰囲気は、
私の登場により、一気に静まり返る。
目線も全て私に向かっている。
……うっ……真剣に聞いてくれるのは、
嬉しいんだけど…もうちょっと賑やかにしても良いんだよ…
落ち着け…落ち着け…
すうーはぁー…
深呼吸をしてから、口を開いた。
「皆様、お忙しい中…パーティにご参加頂き誠にありがとうございます。
楽しんでおりますでしょうか。
今回は洋菓子と和菓子を合わせて、
35種類ほど取り揃えておりますので、
お気に入りお菓子が見つかると嬉しいです。
また、この場をもちまして、…私からお伝えしたい事がございます。」
ザワ ザワ ザワ
((伝えたいことって?))
((…まさか悪いニュース?!))
どよめき立つ会場。
皆んなは、さらに私に注目する。
「私事では…ございますが…
週2日程、自宅で【お菓子屋さん】を
開店する事になりました。
初日オープンは2週間後の●/● 11時から
です。プリンやクッキーなど、10種類のお菓子をご用意しております。
立ち寄って頂けると幸いです。
では、引き続きパーティをお楽しみ下さい。以上、新川真澄からでした。」
言い終え、頭を下げると…
パチ パチ パチ パチ
沢山の拍手が響き渡った。
その光景に思わず泣きそうになったが、
グッと堪え、登壇を降りた。
「…………」
私はこの世界でお菓子屋さんを開く。
お店の経営は決して楽じゃない。
キツイ事も苦労する事だって、
いっぱいあるだろう。
それでも、私はこの世界にお菓子を広めたい。皆んなの喜ぶ顔が見たい。
オキニス「真澄…挨拶お疲れ様です
お菓子屋さん楽しみにしています。
絶対、初日に行きますから」
「オキニス君…はいっ…是非!
お店にいらして下さいね。
待ってます!」
私のお菓子を広める野望は、
まだまだ終わっていない。
これからもこの先もずっと
続いていくんだ。
でも…この行動は
大きく前進できたかな?
私、新川真澄は…
『異世界でお菓子屋さんを始めました!』
おしまい。
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