第116話 ニュクスの攻略の鍵?
『ニュクスは気配を現したので、そちらの世界に戻って少ししたらすぐに三人の前に現れると思いますよ。彼女の目的は葵さんを殺すことですからね』
「――は!? 僕を殺す? 何それ、こわいんだけど……」
『あれ? 言っていませんでしたっけ? ニュクスいや、ガイア以外の暴走した五大神の目的は私の力である”無秩序の力”の一部である”無秩序の冥護”を持つ葵さんを虐げ、私が最盛期の力を取り戻すことです。なので、くれぐれも気をつけてくださいね』
「何それ、初耳なんですけど。葵ってそんなに命狙われてたの? 」
「マジでメッチャこわいんだけど……」
マジで怖すぎる。
なんで僕が殺されなくちゃいけないんだ。
っていうか僕が死ねば、女神様は本当に全盛期の力という物が元に戻るのだろうか。
もしそうだとすれば、僕は現在進行形で女神様のあしを引っ張っていることになる。
それだけはあってほしくない。
『あ、それは大丈夫ですよ。葵さんが亡くなっても、私が力を取り戻すことはありませんよ』
「えっ? ってことは僕は勘違いで殺されそうになってるってこと? 」
「そんな感じのようですね……」
不安は払拭されたが、代わりに理不尽さを感じた。
こういうときくらいは不平不満を言っても罰は当たらないだろう。
『――うーん。勘違いというのは少し違う気もしますが……決して間違いでもないように感じますね。ガイア以外の五大神は現在、私を救い出すことを盲目的にすべてを捨てる覚悟を以て、生きているのですよ』
「盲目的ねぇ……」
りえが女神様の言葉を聞き、そうぼそっとつぶやいた。
確かに盲目的になるのは本当に良くない。
それはどんな状況においても共通することだろう。
これに関しては流石に分からないが、もしかすると盲目的という言葉になにか嫌な思い出があるのかも知れない。
『そして、問題はここからなのですが、一万年以上もの間、私を救い出す方法はないのか探しつづけたニュクスにとって葵さんの気配は一縷の希望となったのでしょう。封印された力の力を持ったあなたを殺せば、その力が私の元に返ってくるのではないかという……ね』
それが、ニュクスという悪神が僕を襲う意味なのだろう。
確かに一万年探し求めてやっと見つけた一縷の希望。
それに盲目的になっている状況からして、頭では無理だと判断しても、希望を捨てられなくなるのはよく分かる。
「僕を襲う意味は分かったけど、なんでガイアだけはそうならなかったんですか? 」
「確かにそれは気になるわね」
「気になりますね」
とても気になっていたことを聞いてみた。
どうしてなのだろうか。
五大神の中でもガイアだけは暴走をしていないらしい。
なにか原因があるのだろうか。
もしかすると、そこにニュクスの攻略の鍵が隠されているかも知れない。
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