無秩序に誓って! ~最弱だったはずの僕は、数多の世界に異世界転移できる”チート”を手にし、女神を救う冒険へ~

夜咲蒼真@異世界ファンタジー執筆中!

第1章 女神を救う冒険へ!

第1話 生徒会長だけど”雑務”がんばります!


 僕の名前は立花あおい。高校入試の目前となる三年生にあと少しでなるごくごく普通の中学生である。

 そんな僕は今、何をしてるかというと、


「春休みまで学校の“雑務”とかクッソだる! さっさと家帰ってゲームしたいんだけど! 」


 春休みであるのにもかかわらず学校に登校させられ、“雑務”をやらされていた。まさに学校の奴隷である。

 “雑務”とは生徒会の仕事のことだ。ごくごく普通な僕だが、いろいろあり、現在は生徒会に所属しているのだ。


「うるさいわね! 全く仕事してないクセに愚痴ぐちばっかり言って。こっちまで嫌な気分になるじゃない。あと、何度も言ってるけど、これは“雑務”じゃなくて“書類仕事”! っていうかそんなに早く帰りたいんだったら仕事、ちょっとぐらい手伝いなさいよ! 」


 こいつは速水はやみりえ。生徒会副会長である。

 容姿端麗。身長は僕より少し小さいくらい。長くも短くもないきれいな黒髪が印象的だ。ちなみに胸はたぶん皆無。

 これは、僕も好み的な部分もあるだろうが、クラスで一番可愛いと思う。

 とは言っても、好きとかそういう気持ちはない。あくまで友達だしな。

 性格は……一言で表すならば『真面目』だろう。まあ、抜けてるとこも多いんだけど……


「それは遠慮します」


 食い気味で、丁重にお断りした。

 当たり前だ。いくら早く帰りたいからと言って、自分から“雑務”をするバカがどこにいるというものだ。


『――僕を……僕たちを……あなたの世界に……!』

 

 ん? なんだ? 耳鳴りだろうか? 変な声が聞こえた気がした。

 いや、これは自分の声だろうか。いや、どうせ耳鳴りだろうし、どうでも良いか。


「っていうか、僕までいる必要あんの?」

「当たり前じゃん! そもそも、この仕事は生徒会長である葵の仕事でしょ。あくまで、私はそれを手伝っているのであって、本来はあなたの仕事なのよ。あ、な、た、の! 自分の仕事を人にやってもらっているのにも関わらず、自分だけ休みを満喫とかありえないから。そんなことより早く手伝ってよ」


 それもそうだ。

 確かに僕は、いろいろあって現在、生徒会長をしている。そして、今回の“雑務”は各委員会の活動報告の承認である。

 活動報告の書類に目を通し『生徒会長 立花葵』と刻まれた、はんこを押していくというとても単純で何の面白みもない“雑務”である。


 しかし、生徒会長がするべき“雑務”なのは間違いない。まぁとはいっても、僕は、楽をして楽しく生きていきたいのだ。

 できるだけ仕事をせずに、さっさと家に帰り休みを満喫する。

 それが今の僕の目標である。春休みに入ったばかりとはいえ、春休みは始まった頃にはもう終わりのカウントダウンが始まっているのだ。しっかりと楽しまなくてはなるまい。


『――あなたの力となり、この恩を……! 』


 ん? まただ。また、さっきみたいな耳鳴りだ。本当になんなのだろうか。

 まぁ、そんなことはどうでも良い。僕はとにかく帰りたいのだ。


「ねぇ、勝手に帰ったら先生に怒られると思う? 」

「さあ? 先生がおこるかどうかはわかんないけど、私は間違いなく怒るよ」


 はぁ……。どうすれば、仕事をせずにさっさと帰られるのだろうか……。


「いい加減! ……手伝いなさい! 」

「ひぃぃぃ!!! 」


 思わず情けない声が出てしまった。

 そろそろ本格的にりえを怒らせそうだ。しょうがない……。りえをからかうのは、これくらいにして、僕も“雑務”をやるとするか。




――――――――――

小説家になろうにて現在投稿している作品を再編集し、カクヨムにて投稿いたします。

隙間時間等にも見られるよう、一話あたりの文字数は1000文字程度を予定しております。

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