第10話 必殺! 話題そらし!
そうだ! こういうときはアレだ。
『必殺!!! 話題そらし!!! 』
「いやぁ。最寄りの町、遠いね」
ちょっとあからさますぎたか?
まあ、多少あからさまでも話題を変えられてさえすれば問題はない。
「あれれ??? 急に話題なんかそらしちゃってどうしたの??? なんかあったの??? お顔が真っ赤わよ。どうしちゃったのよ??? 」
顔が真っ赤になってしまっているようだ。昔からそうなのだ。恥ずかしいことがあると僕はすぐ顔が真っ赤になってしまうのだ。
恥ずかしがっていることが簡単にばれてしまうとはつくづくいやな特性である。
話題を変えようとしたのがばれてしまったのも顔が真っ赤だからなのだろうか。
……やばい!
それにしてもウザすぎる。……どうしよう。なんとしてでも、話題を変えなければ。
って、あ! あんなところに何人かの人影がある。冒険者だろうか。
まぁ、何にせよナイスタイミング!
「あ! あんなところに、ひ、人影がぁー。あの人たちに最寄りの町への行き方を聞きにいけるじゃん。やったー」
ちょっと、いや大分、棒読みっぽくなってしまったが問題はないだろう。
それにしてもあの冒険者たちの装備、貧弱すぎないか? いや、駆け出しの冒険者だとすれば、こんなものなのだろうか。
確かに、このあたりは一面に広がる草原である。こんなところにボス級の強いモンスターなど出現しないだろうし、駆け出し冒険者たちがレベルアップに利用しに来ていたとしても何の違和感も抱かない。
「ついてこい! りえ! 」
ちょっとイケボな声で、そう言い放ち、僕は走り出した。とはいっても、別に走る必要などない。
しかし、話題を完全にそらすという超難関ミッションをこなすためには必要なプロセスである。
「あんたね……。まあ、いっか。あの人たちに聞けば最寄りの町への行き方が分かるかもしれないし。って、おいてかないでよ! 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます