第92話 現在寝不足です!
「おはよう、葵。朝ご飯、もう用意してくれたって。……って、いい加減起きなさいよ」
「うっわ! 」
僕が包まっていた布団を引っぺがし、無理矢理起こさせてきた。
もうそんな時間なのだろうか。
今日は異常なほどに眠い。
それもそのはずで、今日の睡眠時間は2,3時間くらいな気がする。
オールになれてるような人ならこれくらいどうってことないと思うが、どんなに遅くても二時にはいつも寝ている僕にとっては、深刻な問題だ。
「――ふわぁぁぁ。ねぇ、りえ。今何時? どうせりえのことだし、まだ四時とかじゃないの? 」
「失礼ね。確かに私はそんくらいから起きてたけど、そんな時間に起こさないわよ。もう七時とか、八時とかそんくらいよ」
「――ぇえ。もうそんな時間? 二度寝しちゃダメ? 」
うすうすは分かっていたがもうそんな時間なのか。
二度寝したい。なんとしても二度寝をしたい。
……が、もうその時間なら厳しいかも知れない。
「ダメに決まってるでしょ。ほら、はやくベットから降りて。……いつもはそんなに朝弱くないじゃない」
「いや、なんか今日は特別、眠くてさ」
「昨日はいろいろあったし疲れてたんじゃない? 実際私も昨日は寝落ちしちゃったし。それに、電気つきっぱなしだったから、葵も寝落ちしちゃってたんでしょ」
「ま、まぁ、そんな感じかな」
急に目が覚めた。
昨日、僕は寝落ちしているりえを見て、エッチなことをしようと思ったのだが、いろいろあってそれをやめた。
問題はそこからなのだ。
りえは、僕が風呂に入っている間に寝落ちしたようだったので布団もかぶっていなければ、電気もつきっぱなしだったのだ。
エッチなことをすることを断念した後、まずは風邪を引かないように布団をかぶた。
そして、僕も自分のベットに横になり、その後に電気を消そうと思ったのだが、あることに気づいてしまった。
りえは僕のベットの方を向くように横向きに寝ていたのだ。
つまり、僕がりえのベットの方を向くと、自然に寝顔が見えてしまうのだ。
体も自然とりえのベットの方へと近づいていき、りえと僕の顔はほんの数センチの距離になった。
きれいな肌をそんな間近で見ていると、男子中学生の僕はいろいろと湧き上がってくるものがあった。
あんな環境で健全な男子中学生が寝れるわけがない。
だから、現在寝不足なのだ。
「――ふぅ。ようやく目が覚めてきたわ」
「本当にようやくね。それじゃぁ、朝ご飯用意してくれてるらしいし、早く行こ」
りえの純粋無垢な笑顔を見ると後ろめたい気持ちが凄い。
そういうことをちょっとでも思ってしまう自分が恥ずかしくなる。
「おはようございます、リエ、アオイ君。これで全員そろいましたね。では、冷めないうちに食べましょうか」
『そうですね。冷めてしまう前に食べてしまいましょう』
「遅すぎるのよ! 早く食べたい! 」
りえに連れられて、昨日夕飯を食べてところに行くと、すでにエマとガイア、女神様がいて、豪華な朝ご飯を囲っていた。
どうやら僕とりえを待っていてくれたらしい。
ちなみに今回はそれぞれのさらにそれぞれの分がすでにくんである感じで、昨日のガイアの大食いを考慮しての工夫のようだった。
「待たせてごめんね。それじゃあ、」
『「「「いただきます! 」」」』
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