第20話 どうしてこうなっちゃったの!?
僕の名前は立花
しかし、今はもう違う! なんやかんやで異世界召喚され、今日は異世界生活5日目である。
そんな僕は今、王女様の客人として
いや、正確に言うと衣食住は最高級でまさに
「もう家に帰りたいだけど!!! 」
僕は、元の世界でも使ったことのないような最高級のベッドに寝そべりながら、切実な願いを口にした。
「はぁ!? 何言ってんのよ。最高な生活じゃない。一体どこが嫌だって言うのよ? そりゃもちろん、異世界なんだし、テレビもなければスマホもないけど、これだけ順風満帆な生活を送れてれば何の問題もないでしょ? 」
確かにテレビやスマホがないのは大きな欠点だ。
しかし、そんなことがちっぽけにすら感じてしまうほどの大きすぎる欠点があるのだ。
コン、コン、コン
「失礼します。リエ殿、アオイ殿。
「やっと稽古の時間になった! アオイ! 先に行ってるわね」
悪魔の時間がまたもやってきてしまった。
――そう。
大きすぎる欠点とはこのことである。
午前と午後にそれぞれ二時間ずつ稽古の時間があるのだ。
とはいっても午前の稽古というのは座学で稽古と言うよりも授業であり、あまり苦ではない。むしろ、この異世界の
どうやらこの世界はここ最近、魔物の異常発生や魔物の性質の突然変異に非常に悩まされているらしい。僕たちの因縁の相手である健康すぎるゾンビもそのうちの一種だそうだ。
まぁ、異世界の言語の授業は眠たすぎて、ある意味
なんで話せるのに異世界の言葉の勉強をしているかって?
それは簡単だ。話せても文字は書けないからだ。
謎の力で話せるようにはなっているが、書けるかどうかはまた別の話なのだ。
そして、問題なのは午後の稽古である。実技という名のただの拷問である。
走り込みや腕立て、腹筋といった筋トレや異世界の代名詞とも言える剣術や魔法の実技……。
なんで異世界にまで来てこんなに努力をしなければならないのだろうか。
僕は完璧な最強主人公になったのだ。異世界ファンタジーの主人公なら、異世界召喚の時に手にしたスキルとか魔法でこの世界を無双するのがセオリーであろう。
なんで僕がこんな羽目に……。
「時間は有限だと言っているではないですか! 早く行きますぞ。アオイ殿! 」
「は、はい! 」
諦めて今日も稽古に行くしかないか。なんで稽古を毎日する羽目になってしまったのだろうか。
思えば、すべてはあの選択が始まりだった。
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