第74話 別にイチャイチャしてないからぁぁぁ!!!
暗くてその城の大きさは正確には分からないものの、おそらく今日の朝までいたエマの王城と同じかそれ以上ではないだろうか。
異常だ。もしかして、これって?
「目がちゃめたようね。ここはカオスちゃまの住まう、封印の森のちゅうちん。いや、この世界のちょうど真ん中、世界のちゅうちんの場所なのよ。これはカオスちゃまがこの世界を創造するときの拠点として作った城なのよ。いま、カオスちゃまとエマとかいう女がご飯の準備をちてくれているから、早く行くのよ」
うわ。びっくりした!
突然ガイアに声をかけられた。
女神様に案内するように言われたのだろうか。
ガイアはそういうとゆっくりと城にむかって歩き出したので僕とりえはガイアの少しあとをついて行った。
「――あぁ、それともご飯食べに行く前にそいつを食べてからにちゅる? そんなにいちゃいちゃ手をつないで歩いてんだから、そういうことがしたいんでちょ。ご飯は三人で先に食べてるから、その辺の草むらでゆっくりとやってればいいのよ」
――。
――――。
――――――はぁ!?
「――は!? いや、まず、りえとはそういう関係ですらないし。ただの仲良しの友達なだけだし。手をつないでなんかないし。イチャイチャもしてないし。まじあり得ないから! 」
「そ、そうよ。葵とはそういう関係じゃないし。手をつないでたのだって魔法のせいであって、決してイチャイチャなんてしないし。ほんと意味不明なこと言わないでほしいんだけど! 」
「ふーん。魔法ね……。まぁ、それならそれでいいんだけど。ってカオスちゃま! 」
『ご飯の準備が終わったので来てみれば、またもめごとですか……。今度は……ってなんていうことをしているんですか! 冗談だったのかも知れませんが、言って良い冗談とダメな冗談があるのですよ。今回は絶対にダメな冗談です! ……ガイア、ごはんを食べ終わったらゆっくり話をしましょうね! 』
「カオスちゃま~!!! 」
こっわ……じゃなくて!
さすが、教育が上手だな。
……ふぅ。
女神様は人の心が読めるので女神様といるときは油断が全くできない。
『それでは、ご飯がさめてしまわないうちに戻りますよ。
っえ? あ。魔法で帰れるんですね……。
「――おや、みなさんおかえりなさいです。目が覚めたようですね、アオイ君。ごはんができてますので、みなさんでいただきましょう」
一瞬周囲が暗転し、気がつくと目の前には豪華な食事の並べられた机と、エプロンを着たエマがいた。
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