第68話 女神様のもとへ!

 ――どうしよう。ヤバい。

 戦闘が再び始まる前に二人を連れてそそくさとここから逃げてしまいたいがさすがにそれは厳しい。

 一人ならともかく二人を運ぶとなると、単純に僕だけでは厳しいし、運んでいる最中に逃げようとしていることがバレて、ジ・エンドだろう。

 どうしよう。


「っていうかあんたたちはさ、何してたわけ? あたちのかわ言い子供達を殺しまくってタの走ってるけどさ。それだけが目的じゃないでしょ。それとも、ストレスでもたまってたもんだから、あたちの可愛い子供達をすとれす発散の道具に使用と、はるばるやってきたわけ? 」


 このタイミングでこの質問。

 二人が目覚めるための時間を稼ぐには絶好の好機だ。

 しかし、答えを一歩でも間違えれば首が飛ぶような怖さもある質問だな。

 ここは嘘をつくのではなく、あえて事実を話すことにしよう。


「――そうですね……。僕たちは女神様……じゃなくて、もとの世界で僕たちの命を救い、この世界に召喚してくださったお方に会いに来たんですよ。夢みたいな感じの何かのとき、そのお方が封印の森ってところに来るようにおっしゃられたんです。なので、その封印の森ってところに行こうとしてたって訳です」

「――ふーん。ということは、あんたが”カギ”ってことで間違いないのね……」


 良い感じに好印象ではないだろうか。

 これならしばらくは時間を稼げそうだ。

 それにしても”カギ”とは何のことだろうか。


「そういうことなら……。あたちが封印の森まで連れてってあげる」


 ほぅ。

 思ってた十倍、好印象をも照れているようだ。どうしたのだろう。

 もしかして、僕に惚れちゃったのかな……。


 うーん。

 僕たちを封印の森まで連れてってくれるとはありがたい申し出だ。

 しかし、いつこの少女が暴走するかも分からないので一緒に行くのは危険だろう。

 ここは丁重にお断りして……


「んじゃ、大地の世界エザフォス・イフィリオス〜っと」

「いや、ちょっと待……て……って、え? 」


 ――少女は急に魔法を放った。

 すると、周囲は一瞬暗転し、気がつくと僕は全く知らぬ地を踏んでいた。

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