才賀3年生編6話 僕達が思ってるより、晴生君は学習能力が高いようだ。



  「ちょっと男子ぃー」

 「っていうか晴生ぃー」

 「私の月恵ちゃんに男子の見せないでよ」


 理々花ちゃんが現れた。

 なんで、現れるかな。

 早々にお帰り願いたい。


 「オレェより才賀だろ」

 「オレェ悪くない」

 「オレェは止めてた」


 確かに、富造君のいう事も間違っていない。

 この場で悪いのは僕だ。

 はじめにぼけてみたのは苑香ちゃんだが、修行が足りてなかった僕も我を失っていた。

 とにかく、時間がない。

 急がなければ。


 「貴方達のは見せなくていいから」

 「さっきの私にも見せてちょうだい」

 「おっぱいの大きいつるりじゃない大人の女性も好きよ」


 急いでるんです。

 

 「だーめ」

 「オレェが頂いんだからオレェのだから」


 「じゃー終わったら貸してー」


 「だーめ」


 「ちょっと男子ぃー」

 「っていうか晴生ぃー」

 「それでいいのよ」


 良いようだ。


 「私のおっぱいは月恵ちゃんのおっぱいで」

 「月恵ちゃんのおっぱいは私のおっぱいで」

 「だから、おっぱいが見たかたっら私のおっぱいを見ればいいのよ月恵ちゃん」

 「それに」

 「私はつるっとしてるわ」


 そういえば、理々花ちゃんは副委員長だったな。

 委員長と副委員長の関係だけど、僕達はあまりあわないし。

 あまり仲良くないし、理々花ちゃんは僕達の事疎んでるし。


 「そうね」

 「幸せはいつも近くにあったのね」

 

 幸せが近くにあったとしても。

 時間はないんだよ。

 邪魔をする奴のはいつも近くにいるやつだ。

 理々花ちゃんはいつも邪魔をするんだ。

 僕達も理々花ちゃんにとっていつも邪魔かもしれないが、僕達からしても理々花ちゃんは邪魔だ。

 お互い邪魔な関係なんだ。


 「そうよ月恵ちゃん」


 「でも、ここじゃ晴生ぃ達もいるし」


 いい加減にしろよ。


 「うん。場所かえよっか」


 月恵ちゃんを連れていかれるわけにはいかない。

 理々花ちゃんと場所を変えようとする月恵ちゃんの後ろ襟を掴む。


 「なによもう」

 「後ろ襟掴んじゃだめなのよ」

 「皺になっちゃう」


 「ちょっと男子ぃー」

 「特に晴生ぃー」


 「オレェ?」

 

 「服掴んじゃだめでしょー」


 晴生君は服を掴んでいない。

 月恵ちゃんの後ろ襟をつかんでいるのは僕だ。


 「オレェ服掴んだら千切れる」

 「だから、オレェはむやみに人の服を掴まない」


 「そうね」

 「晴生ぃは悪くないわね」

 「ごめんなさい」


 わかってもらえたようだ。

 

 「理々花の服掴んだら」

 「破れた事ある」

 「理々花悲しんだ」

 「オレェ覚えた」

 「オレェが服掴んだら破れるし、理々花悲しむ」

 「オレェ、服つかむの好きじゃない」


 僕達が思ってるより、晴生君は学習能力が高いようだ。


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