116話 強くなりたい
「ぷこぷこ」
「ぷこぷこなの」
気がつくと、実椿ちゃん達の所に戻ってきていた。
なんだか、実椿ちゃんが小羽玖ちゃんの小脇に抱えられながらぷこぷこしてるわね。
「実椿はもう、守られてるだけじゃないの」
「ここはエタファンなの」
「フルダイブ型VRMMORPGの、ゲームの中なの」
「ここなら、幼女だからって弱いわけじゃないの」
「小羽玖達はそれが分かってないの」
「ぷっくぷくーなの」
確かに、実椿ちゃんの言ってる事ももっともです。
ここは、私達は今ゲームの世界にいるわけですから。
現実と違って、幼女だからって、体格に劣る者だからって、イコール弱いというわけではありません。
けれど、私は実椿ちゃんを守ろうとします。
小羽玖ちゃんも、環希ちゃんも、実椿ちゃんを守ろうとします。
それは、変えられるものではありません。
「そうね」
「実椿ちゃんの事も頼りにしてるわ」
私はそう答えたが、小羽玖ちゃんはすぐに返事を出来ないでいる。
別に、それが間違っているというわけではないわ。
それが、小羽玖ちゃんなのだから。
「むふー」
「実椿の事を頼りにするの、悪党」
ぴろんっ。
【頼られたい幼女の好感度が上がりました】
好感度の上がる効果音が聴こえました。
今度は、理由はわかりやすいですね。
実椿ちゃんは頼られたいのですから。
いつまでも、守られるだけの存在でありたくないのですから。
けれど、それで好感度が上がっても、それが正解というわけではないんです。
「そう」
「でもさ、無理はしないでよ」
小羽玖ちゃんも、本心とは思えない返事をする。
「ふんふん」
「ふんすっ」
「任せるの」
実椿ちゃんの強くなりたいという意思を感じる。
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