第12話  転生前の女神のような何か


  「上林月恵」

 「貴女は死にました」

 「馬鹿ですね」


 突然、女神のような何かに、貴女は死にました馬鹿ですねと言われました。

 私、そんなに馬鹿な死に方をしたんでしょうか。

 どんな死に方をしたかは思い出せなくても。

 馬鹿な死に方をした気もします。


 「突然馬鹿だなんて失礼ね」

 「お詫びにもみもみさせて下さい」

 

 私は、無礼な女神のような何かに、当然の謝罪を要求した。


 「貴女はとんでもない馬鹿な死に方をしたので」

 「異世界転生できません」


 はぁ、そうですか。

 でも、仕方ない気もします。


 「変わりに、フルダイブ型MMORPGの世界に転生させてあげます」


 フルダイブ型MMORPGの世界に転生ですか。

 悪くないですね。

 なんだか私、前世でも、フルダイブ型MMORPGを遊びたかった気がします。


 「チートスキルは何が貰えるのかしら」


 異世界ではなく、フルダイブ型MMORPGの世界に転生とはいえ、転生といえば、チートスキル。

 チートスキルを貰って、フルダイブ型MMORPGの世界で私TUEEEレズ百合ハーレムで幸せになりますね。


 「ないわよそんなもの」


 ない、そうです。


 「もう、魂を消滅させてもいいようなど阿呆に」


 「情けで、フルダイブ型MMORPGの世界に転生させてあげようというのです」


 「その次はありません」


 「貴女がフルダイブ型MMORPGの世界の中で死んでしまおうが消滅しようが」

 「そこでおしまい」

 「私は貴女がそうなろうとゲームの世界で永遠に遊んでようとどうでもいいわ」


 女神のような何かが、指ぱっちんする。


 あ、これ、このままMMORPGの世界に入り込むやつね。 


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