第63話 貴方が私に殺された人達の事なんて全部忘れなさい
「その恐怖から解放してあげるわ」
「もう何も怖くないから」
男性は、私に注視している。
いけるわ。
「私への敵意を捨てなさい」
「憎しみも怒りも、全て捨てるのよ」
「全部、忘れていいの」
「貴方が私に殺された人達の事なんて」
「全部忘れなさい」
「そうすれば、貴方はもう何も怖くない」
「わすれ、わすれわすれ」
怯えた男性は、まだ迷いがあるようだ。
「貴方は、確かに大切な人達を上林月恵に殺されたのでしょう」
「けれど、それは貴方が悪いのかしら」
「貴方が責を負わなければいけないことなのかしら」
「違うわよね」
「貴方は何も悪くない」
「悪いのは、全部端守義徒よ」
「端守義徒を憎みなさい」
「端守義徒に、怒りをぶつけるのよ」
「ぎと、ぎとぎとぎと」
上手くいっていますね。
「俺は、義徒を憎む」
義徒を憎む事にした男性を抱きしめる。
「ほら、もう怖くないわよ」
「憎む相手を間違えていただけなのよ」
「これからは、私が一緒にいる」
「貴方、名前は」
「規生」
「そう、規生君」
「私は貴方を傷つけない」
「私は、貴方を抱いてあげる」
「月恵」
「そう、それでいいのよ」
「次は局地的に2対1よ」
「何も恐れる事なんてないわ」
「いきましょう」
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