第45話 「冒頭5分でレビュー書くのやめぇや」
「残念な結果になったが」
「正々堂々たる真剣勝負真剣勝負の結果だ」
義徒は頭を下げなかった。
私は、怒りよりも恐怖の方が上回り、動けなかった。
「義徒が人を殺したぞ」
「私達を守ってくれる端守が」
「今までだってそうだったろ」
「端守はずっと殺してきたじゃないか」
「僕達人間を」
端守の今までの行いを口にする者も出てきた。
その言葉が強く咎められる事はなかった。
【メスガキが、エターナルファンタジーオンラインでの初めての現実世界での死亡者になりました】
今になって、アナウンスシステムが、メルメちゃんの現実での死亡を告げた。
今更誰も驚きはしなかった。
【皆さんお察しの通り、エタファンには痛覚があります】
「先に言っておけよ糞運営がぁ」
「事前情報で聞いてないわよ痛覚があるなんて」
「子供部屋コンピューター通信のエタファン特集にもそんなの書かれてなかったわ」
「まじかよ、コンピューター通信最低だな」
「俺もうコンピューター通信買わないわ」
「エターナルファンタジーオンラインは深夜アニメやラノベによくあるような痛覚はありません」
「危険性もない安全なフルダイブ型VRMMORPGだって」
「コンピューター通信に書いてあったのに」
「冒頭5分でレビュー書くのやめぇや」
「どうせ、戦闘に行くまでもなくレビュー書いたんでしょ」
コンピューター通信に怒りを向ける者もいる。
その怒りは、最早、普段から皆がコンピューター通信に込めている怒りであった。
これ程、子供部屋コンピューター通信は不満を持たれていたのね。
子供部屋コンピューター通信への不満は、異世界の住人も同じようであった。
私も、前世での記憶がはっきりと残っているわけでなくても。
子供部屋コンピューター通信への不満は、記憶に残っていた。
「そんなの分かってたらやるわけないじゃないこんな人殺しゲーム」
この場の誰もが、義徒に直接怒りを向けられなかった。
それ程に勇敢な者も無謀な者もいなかった。
例えどれだけ知能が低い者でも、文字が読めなくても、1+1が分からなくても。
水守達への恐怖心は、何万年も前から人類のDNAに刻み込まれてる。
そして、異世界転生したとしても残る魂にまでも刻み込まれている。
群衆は、このゲームに。運営に。制作会社に怒りを逸らし、文句をつけていた。
まぁこれは、子供部屋コンピューター通信が悪い所もあるし。
子供部屋コンピューター通信は、エターナルファンタジーオンライン特集を組んでいるぐらいで。
ベータテストを1000時間遊んだレビュワーもいたはずなのにね。
おかしいわよね。
1000時間、戦闘は一切せず遊んでいたんでしょうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます