第25話 フルダイブ型VRMMO世界に転生した私は美少女の引き立て役として頑張ります


  「どー」

 

 メルメちゃんが、私の周りでぴょんぴょんくるくるしながら、進捗を訪ねてくる。

 可愛いわね。

 このまま、ずっとぴょんぴょんくるくるさせながら、私の様子を気にさせながら、鑑賞していたいわね。

 鑑賞だけではすみませんね、これは。


 「できそー?」


 ええ、しちゃいそうです。

 できるかもしれませんね、私とメルルちゃんの。ふふふ。

 名前は、カレンなんてどうでしょうか。

 きっと可憐な美少女になるでしょう。

 絶対、女の子です。


 ステータス画面をいくらいじっても、前世での本当の私の見た目を出す事も、容姿をいじる事もできはしなかった。


 「無理だったわ」


 「えー」

 「前世の本当のお姉ちゃんの容姿にして欲しかったなー」

 「その方が、お姉ちゃんがよりメルメの引き立て役になるもん」


 より。よりですか。

 けれども、メルメちゃんに言われると怒りもわかないものね。

 メルメちゃんは本当に可愛いから。


 「十分、メルメちゃんの引き立て役になってるよ私」

 「まずメルメちゃんに引き立て役って必要かしら」

 「引き立て役なんていなくても十分を過ぎた可愛さじゃない」


 本当に、そう思うのだけれど。

 ここまで可愛いメルメちゃんに、引き立て役なんて必要かしら。


 「必要だよ」

 「メルメの可愛さは世界1ってわけじゃないもん」

 「それに、例え世界1の可愛さだとしてもね」

 「可愛ければ可愛いほどいいんだよ」

 「可愛さってのは強さだから」

 「可愛さってのはステータスなんだよ」

 「世界1強い人でも」

 「もっと強くなりたい」

 「決して誰にも負けたくない」

 「そうやって、もっと強くなろうとするでしょう」

 「世界1のお金持ちの人が」

 「これ以上お金を増やしてどうするのかと言われてても」

 「もっとお金を増やそうとするでしょう」

 「絶対に貧乏にはなりたくないって思うんだよ」

 「世界1のお金持ちってのはね」

 「だから、世界1可愛いメルメの敵も」

 「いつももっともっと可愛くなろうとしてて」

 「2番目以降に可愛い人達に絶対負けたくないって」

 「ずっとそう思って生きてるんだよ」

 「だから、メルメはもっともっと可愛くならなくちゃいけないの」

 「メルメね、もっと可愛くなる理由を知ってるの」

 「だからメルメがこれだけ可愛くても」

 「引き立て役は必要なの」

 「だから、引き立て役としても」

 「これからよろしくねお姉ちゃん」


 あ、はい、よろしくお願いします。

 これからも、メルメちゃんの引き立て役として頑張ります。

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