98話 あら、このNPC力つよーい。


  変態レズパーティーが行われるならそれは参加するので構わないんですが。

 

 全プレイヤーに起きるイベントではなく、条件がある?

 LV1の小羽玖ちゃん達と違って、私はLV2です。

 それが条件とも思えませんね。

 パーティーのリーダーにだけ限定で起きるイベント?

 こっちの方が、ありえますね。


 「まだ貴女達以外誰もこの宿屋には辿り着いていない」

 「さ、早く」


 やはり、私達がこのフィールドに一番早く辿り着いたのでしょう。


 一番早くこのフィールドに辿り着いたプレイヤーのリーダーにだけ限定で起きるイベント?

 あり得ますね。

 リスクを犯してでも、他のプレイヤーより先に未踏フィールドに進むプレイヤーに、なんのリターンもないわけがありません。

 そのリターンがないのなら、誰もが人の後から、出回っている攻略情報を探し、退屈なレベリングをしながら絶対安全に進めていくだけの

ゲームになります。

 

 そんなゲームが楽しいでしょうか。

 答えは否。


 「早くつってんだろ」

 

 店主が怒りだし、私の腕を引っ張ります。

 

 あら、このNPC力つよーい。

 簡単に引っ張られていってしまいます。


 「待つのなの」

 「小脇に抱えられてる体勢でそんなに引っ張られて」

 「悪党が倒れたら」

 「実椿は顔から地面にぶつかるの」

 「ごつんなの」


 「ひぃぃ」

 「実椿ちゃんが実椿ちゃんが」

 「変態レズの小脇に抱えられたまま引っ張られていくわ」

 「変態レズパーティーなんて生ぬるいものではなく」

 「変態ペドフィリアパーティーだったのね」

 「実椿ちゃんはおいてきなさいよ」


 小羽玖ちゃんは、実椿ちゃんの事を守ろうとします。

 頼もしいですね。

 私に何かあっても、小羽玖ちゃんがいれば実椿ちゃんの事を任せられるでしょう。

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