102話 隣


 「悪党が、パパママの隣になの」


 「ひぃぃ」

 「月恵がパパママの隣なんて」


 「ぷるぷる」

 「実椿もパパママの隣にいけるのなの」

 「いきたいの」

 「実椿、パパママの隣がいいの」


 実椿ちゃんは、ぷるぷる震えながら恍惚としている。

 誰もが、私もが、そう思って当然の事です。

 

 「私も、パパママの隣にいけるのかな」


 小羽玖ちゃんは、おじさんの話を真には受けてないものの、当然行きたがってる。


 「パパママか」

 「私だって、行けるものならいきたいわよ」


 私も、当然の事を口にした。

 ほかに、なんと言えというのでしょうか。


 「ひぃぃぃ」

 「月恵、貴女がパパママの隣に行けるとでも思ってるのかしら」

 「今すぐ死になさいよ」


 あら。あらあらあら。

 

 「思ってないわよ」

 「行けるものならいきたいって言ってるだけでしょう」

 「私達は、誰もがそう思ってるわよ」


 小羽玖ちゃんの言葉に少し、苛立ちがあった。

 

 環希ちゃんは黙っている。

 

 実椿ちゃんは、小脇でぷるぷる震えながら、パパママの隣を思っている。


 「まぁそれは後々話すとしてだ」

 「とりあえず、地下室に来た方がいい」

 「月恵様に、環希様・小羽玖様・実椿様が付き従ってるとはいえ」


 「ひぃぃ」

 「いつのまにか私達、変態レズに付き従ってる事になってるわ」


 「ぷるっ」

 「実椿は付き従ってるわけじゃなく」

 「小脇に抱えられてるの」


 「今は、私一人にも敵わないだろう」


 おじさんは、2人の話を無視して当然の分かり切っている話を進めた。


 「ええ、そうね」

 「その通りだわ」


 「だから、いい加減」

 「地下室に行けって」


 おじさんはもうかなり苛立ってるのか、私の腕を掴んだまま、掴みを変えず、そのまま地下室の階段下に投げ飛ばす。


 「うーん、これは敵いませんね」


 地下室に転げ落ちる。

 痛いです。

 乱暴なおじさんですね。

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