103話 ゲームがあった
「ぷるぷる」
「危ない所だったの」
「小羽玖の小脇に緊急回避出来て助かったの」
「ひぃぃ」
「危ない所だったわよ」
「これで変態レズは死んだかしら」
「ぷるぷる」
「これからは小羽玖の小脇に抱えられるの」
「ふふふ」
「よろしくね」
「この時をうかがっていたわ」
「やっぱり、実椿ちゃんは私の小脇に抱えられるべきなのよ」
地下室には、冷蔵庫もエアコンもテレビもパソコンもあった。
そして、何より、ゲームがあった。
山のように、宝のように、水のように、空気のように、ゲームがあった。
「ぷるろろ」
「冷蔵庫もゲームもあるの」
小羽玖ちゃんの小脇に抱えられた実椿ちゃん達も、地下室に入ってくる。
実椿ちゃんは、私が投げられる瞬間に緊急回避で小羽玖ちゃんの小脇に逃げ込んでいたのです。
確かに、実椿ちゃんの緊急回避も見事でしたが、それだけでは、成功しなかったでしょう。
小羽玖ちゃんが、おじさんが投げ動作に入る前のおじさんの表情から、投げを読んで、接近したのです。
そして、緊急回避してくる実椿ちゃんの受け入れ態勢をとっていたのです。
まったく、とんだ逸材を拾ってきたものです。
「ふふふ」
「変態レズ、どうしたの」
「なんでもないわ」
「ひぃ」
「気持ちわるっ」
「ふふふ、良いのよ」
「私は寛大だから、それぐらいで内股したりしないわ」
「冷蔵庫があるの」
「ぐんぐんみるはこあるのなの」
「荒野を一歩も実椿の足で歩かず」
「ずっと小脇に抱えられてきたから」
「喉がかっさかさなの」
「実椿、ぐんぐんみるこが飲みたいの」
ぐんぐんみるこ、甘い乳飲料ですね。
<ぐんぐん育つぐんぐんのびるぐんぐん大きくなる>がキャッチコピーの幼女にも人気の飲み物です。
牛乳程栄養価はないんですが、牛乳っぽい、他のジュースよりは栄養がありそうと、
幼女達がマムにスーパーで買って買ってして、買ってもらう定番の栄養機能食品なのです。
ジュースはだめよというマムも、ぐんぐんみるこなら、まぁいいか、となる事が多いんです。
牛乳よりも安価であり、家庭によっては牛乳の代用として日常的に幼女に飲ませた結果。
ぐんぐんお肉がついてしまった、なんて事は珍しくない話です。
日常的に幼女に主飲料として飲ませるのは好ましくありませんね。
前世の記憶はありませんが、そんな記憶はなぜかしっかりとあります。
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