104話「この地下室には、何人の、何十人の、何百人の幼女の骨が埋まってるのよ」「懺悔しなさい懺悔」


  「勿論ある」

 「実椿様の愛飲料ぐんぐんみるこだからな」


 「むふー」

 「おじさん気がきくの」


 「ひぃぃ」

 「ストーカーおじさんよ」

 「幼女を常日頃から観察してるストーキングおじさんよ」

 「ひぃぃぃ」

 「そうやって、ぐんぐんみるこを餌に幼女を誘拐するのね」

 「告白しなさいよ」

 「この地下室には、何人の、何十人の、何百人の幼女の骨が埋まってるのよ」

 「懺悔しなさい懺悔」


 「皆様お疲れだろう」

 「ひとまず、何か飲んでお休みしててくれ」


 おじさんは小羽玖ちゃんを無視して話を進める。

 ある程度無視してくれないと、このまま何も飲めもしないわ。

 あー、アメリカンコーヒー飲んでDEX+0.1したいわ。

 

 「月恵様の好きな浅煎り豆もある」

 「アメリカンコーヒーでも飲んでくれ」

 「器具もそろってる」


 浅煎り豆。

 確かに、室内にはコーヒー豆やケトル、ポット、器具が揃っている。


 「あら、気がきくじゃないの」

 「褒めてあげるわ」

 「今まで、私達を待ってた事、大儀だったわ」

 「私は来たわ」


 「!月恵様」


 おじさんは涙をこぼしている。

 おじさんがこんな事で泣かないで下さいよ。

 まったくもう。

 

 本当に、私達を待っていたようですね。

 まぁ、それがなんとなく分かったから、あんな事を言ったんですけどね。


 「ひぃぃぃ」

 「おじさんが泣いてるのって気持ち悪いよ」

 「まぁいいけど」


 私は涙をこぼしているおじさんを放っておいて、お湯を沸かす。

 ふふふ。

 DEX+0.1。DEX+0.1。

 ほほほ。

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