フルダイブ型MMORPG遊ぶつもりが殺されてフルダイブ型MMORPG世界に転生するようです。全員フルログインなんで全員レベルアップは早いです

３０話 現世でチートスキル持ちってまじチートですよね。関わりたくありません

　　「端守義徒がエタファンやってて、すぐそこにいるってよ」

　端守義徒。その名前も、記憶に残っている。

　端守とは、　水守一族の眷属で、水守から守の字を貰っている一族だ。

　水守の護衛集団蔵持よりも当然格上だ。

　だから、眷属と言っているのよ。

　その当主が、義徒だ。

　私も動画配信で見た事がある。

　油ギッシュで、絶対無理な男性だったわ。

　前世の私は、それ程強くもないけれど、そこまで弱くもなかった、はず。

　そんな気がする。

　けれど、端守義徒に勝てるかと言われると、無理無理無理ゲー。

　蔵持一族だって絶対無理。

　天水島の連中なんて、全員誰とも戦いたくないわ。

　島民の希望だの人類の希望だとか言われてる現実世界にしてチートスキル持ちの男の子もいたけれど。

　あれも、関わりたくもない。

　あんなのと戦えるわけがないわ。

　なんで、現世でチートスキルが使えるのよ。

　けれども、それが天水島の連中なのだから。

　そんな現世チートスキル連中なんかとは、関わりたくもないわ。

　「まじ？会いたいしー」

　「僕、サイン欲しいんだ」

　「義徒なら子供にはサインしてくれるかもよ」

　「なんせ義徒だものな」

　あんなののサインなんて、誰が欲しがるんでしょうか。

　こいつら、皆頭が狂ってるんでしょうか。

　まともなのは、私だけなんでしょうか。

　こいつら、皆狂っていやがる。

　「来た。来たぞ」

　「うわー、まじ？」

　群衆がざわめく。

　「皆、上林月恵は水上卿が殺した」

　「安心してエターナルファンタジーを楽しんで欲しい」

　記憶に嫌な形で残っていたように、顔も髪も、油でぎっとぎとの男性だ。

　人によってはハンサムとか男前とか言うのでしょうけれど。

　レズとか性的嗜好とか関係なく、私は生理的に受け付けません。

　うわー、ちょっとでも触れたら油べたってつきそう。

　触らなくても、油飛んできそう。

　「キターー」

　「キタキタキタキタ」

　「義徒だ」

　「ＧＩＴＯＧＩＴＯギットギトッ」

　「誰だっ。私をＧＩＴＯＧＩＴＯギットギトッと呼ぶ者は」

　「こいつだよこいつ」

　「何だと！そんな奴には」

　「この<ギットギトの鼻の油も顔の油も義徒が成敗フェイスシート>で成敗だ」

　「うっ、うそだろ」

　「僕のギトギトしてた鼻油が、こんなにも成敗されるなんて」

　うわ、フェイスシートに鼻の油拭き取られ過ぎ。

　きもちわるい。

　「成敗！完了！」

　「ありがとうギト」

　「うぉぉーＧＩＴＯ－！」

　「油ギッシュな者達の救世主」

　もう、会場は出来上がっていた。

　「この、義徒が成敗フェイスシートは、エターナルファンタジーとタイアップしていて」

　しなくていいわよそんなタイアップ。

　なんで、VRMMOでフェイスシートが必要なのよ。

　「エタファンでもリアルワールドも購入できるぞ」

　販促始まっちゃったわね。

　「エタファンでは５００Cで購入可能だ」

　高いわね。

　「うおー、買うぞー」

　「VRMMOでもフェイスシートは必要だろ」

　必要だそうです。

　VRMMOって、そういうものなんでしょうか。