91話 「そのために、エターナルファンタジーオンラインは作られたのだから」


  「ひぃひぃ」

 「私が一番こんな痛くて死ぬようなゲーム怖がってるのよ」

 「さっさと終わらせてよ」


 「なのー」


 「実椿ちゃん、もう何か喋るのも面倒臭くなっちゃったのね」


 小羽玖ちゃんも、実椿ちゃんの近くによくいますね。


 「ぷるぷるだけど」

 「ちゃんと喋るのなの」

 「実椿も平和な世界にいたけれど」

 「それでも、魂の衰弱には気づいてたの」

 「このままじゃ、魂が消滅してしまうの」

 「ぷるぷるなの」

 「怖いのなんなぁ」


 私が、終わらせる一人なのでしょう。

 

 「義徒よ」

 「端守義徒を殺すのが、このゲームの目的よ」

 「そのために、エターナルファンタジーオンラインは作られたのだから」


 「ぷるぷるぷる」

 「義徒を、なの」

 「ぷるぷるなの」

 「目押しキャンセルのメスガキは、義徒に殺されたの」

 「実椿も見てたの」

 「ぷるぷる震えてたの」

 「あんなのを殺すのなの」

 「実椿には無理無理なの」

 「ぷるぷるになるの」


 「ひぃぃ」

 「義徒なんて無理よ」

 「どれだけ油でぎっとぎとだと思ってるのよ」

 「あんなの掴もうとしても、つるっと滑ってしまうわ」


 体に油を塗る悪役なんてのはよくいますが、それが体から出ている天然由来の油だったら、

それは批難される卑怯な行いなのでしょうか。


 まぁ、どちらにせよ義徒は下劣で滑稽なサルなんですけどね。

 さぁ、害獣駆除ですね。


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