第92話 「私は英雄じゃないし、そんな事を私に言われても困るわ」「そういうのは英雄とか勇者、王子、王女、聖女、ヒーローに言ってください」


  「てめぇ、待てよ」

 「なんで義徒なんだよ」

 「義徒は、私達を守ってくれた」

 「なんで、その義徒を殺さなきゃいけねぇんだよ」

 「逆恨みかよ」

 「いくらゲームクリアのためとはいえ」

 「義徒を殺すってのは」


 「環希ちゃん」

 「貴女達には分からない事なのよ」


 「けれど、私がいる」

 「だから、貴女達は分からなくてもいいの」


 「釈然としねぇぜ」


 「仕方ないわ、環希ちゃん」

 「私達はこういうふうに作られてるんだもの」


 小羽玖ちゃんは、理解はできなくても、私の言葉のままに歩むらしい。

 それが、小羽玖ちゃんの運命なのでしょう。


 「ぷるぷる」

 「流れに任せてゆるぷるゆるぷる震えるの」


 「それじゃ、義徒を殺すには戦力がまだまだ必要ね」

 「ハーレムも、まだまだこんなもんじゃ足りません」


 「さぁ、走るわよ」


 私は、まだ見ぬ少女に向けて走り出した。


 「おい、戦力増強もいいが」

 「規生はどうするんだよ」


 「規生君なら大丈夫よ」

 「手斧も渡してあるから」

 「接近されてもなんとかなるでしょう」

 「もうLV8もあるんですから」


 「規生に手斧渡したのてめぇかよ」

 「なんて事してくれてんだ」


 「規生なら大丈夫よ」

 「ひぃひぃ怯えてないで」

 「行きましょう」

 

 「そうなの」

 「規生なら大丈夫」


 「規生君とは別行動よ」

 「規生君なら大丈夫」

 「これも、運命だから」

 「私達は、運命の一%を変えるのに、何十回何百回と転生するのよ」

 「運命を全て変える事はできないの」

 「だから、ここは運命のままに走りましょう」


 「ぷるっ」

 「魂が消滅する前に、なの」


 「ひひひ」

 「魂の消滅は恐ろしいものね」


 「ひひひってなんだよ」

 「ひぃひぃ言っててくれた方がまだ頭に入ってくるんだぜ」


 【弓覇の入口に入りし男性のLVが9になりました】


 「ほら、規生君も頑張ってる」

 「私達も頑張りましょう」


 「規生が頑張ったら、被害者が出てんだよ」


 「私は英雄じゃないし、そんな事を私に言われても困るわ」

 「そういうのは英雄とか勇者、王子、王女、聖女、ヒーローに言ってください」

 「私は、美少女好きのレズです」

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