54話 フルダイブ型VRゲームなんて危険だし痛覚で人は死ぬ


  エタファンは初のフルダイブ型VRMMORPGというわけではないのよ。

 今までも、フルダイブ型VRゲームはいくらでもあった。

 初めはフルダイブ型VRを体験するようなものや、深夜アニメの美少女キャラ達とフルダイブ型VRで触れ合うゲームだったり。

 オフライン専用の、一切他のプレイヤーと、ネットワークに繋がらないゲームしかなかったわ。

 それどころか、フルダイブ型装置じたいが、ネットに接続できず、パッケージを買ってきて遊ぶものだったわ。

 当然よね。

 人は、痛みに弱い。

 痛みで人は死ぬ。

 死ななかったとしても、痛みというのは、それだけで肉体に脳に精神に損傷をもたらす。

 ネットワークで、痛覚設定をいじられたら、それだけで殺人ゲームになるわ。

 フルダイブ型VRへの危険性は、散々言われていた事だし、ユーザーも誰もが危惧していた。

  

 オンラインへの対応は初めは個人制作個人販売・学生のサークル制作等非公認のものだったわ。

 当然、もしハッキングされて危険な事になっても、人が死んでも。

 個人製作者やサークル活動・部活動・同人サークル・友達との内輪制作で作っていた人は、どろんすればいいだけ。

 実際、ただの殺人ゲームで、人が死んでいったり、障害をおったり。

 ハッキングされて人が死んだり。

 そんな事はあったわ。

 みんなどろんしただけだけれども。

 訴えても、学生なんでお金も収入もありません。

 差し押さえできるものならどうぞ、してください。

 学生サークルが作ったフルダイブ型VRMMORPGが説明とは違って痛覚があり、当然のように人死にもでた。

 そのゲームで妻を亡くした夫が、訴えて勝利するも、

 『サークルリーダーの私はオボンボンなんで、親の財産はありますが』

 『私個人の財産はありませんよ』

 『親の金を使って私達が大学で勝ってに制作していたことであり』

 『親は私が危険なゲームを作っていた事は知りません』

 『ましてや私はもう成人大学生』

 『これで親に責任をといて損害賠償を請求するなんて事』

 『できるわけありせんよね』

 『まぁ、出来もしない事を貴方がするのは自由なんで』

 『やればいいんじゃないでしょうかね』

 『あ、貴女の妻を殺したフルダイブ型VRゲームの制作環境やヘッドギア・フルダイブ型装置』

 『これは差し押さえるにいいですね』

 『愛する妻がさみしくないように、妻の新しい夫を送り込むためにも』

 『貴方がフルダイブ型VR殺人ゲームを制作されてみてはどうでしょうか』

 『愛していた妻と同じ被害者を自らの手で出せれば』

 『貴方の気も晴れるかもしれませんよ』

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