57話 必死で人に媚びるサルは滑稽で醜い


  「義徒、義徒はどうするんだ」


 「このゲームの中でも、私達を、人類に味方してくれるのかしら」


 「サービス開始したばかりのエタファンでも、義徒は強かった」


 「僕達が義徒を称えるなら」

 「端守は応えてくれるのか」


 「端守の正義ってのを見せてくれよ」


 「俺達弱い人類を殺す事も守る事もできるんだろう」


 義徒の様子を伺いながら、義徒に期待を寄せる者達の声が続く。

 義徒は、エタファンの中で、私達を殺すことも守る事もできるでしょう。

 彼の強さは、サービス開始したばかりの、恐らく私達のほとんど誰もと同じく、LV1でしょう。

 原始のゲームとはいえ、その強さは本物だった。

 端守だった。

 LVが反映される時であろうと、LVが反映されない時であろうと、

義徒の強さはエタファンの中に反映されるのは分かり切っていることです。

 義徒の応えも分かり切っています。

 彼は、エタファンの中で人類を守るでしょう。

 それが、彼の望んだ事なのですから。

 水守の眷属にして、水守より人に近づこうとした、端守。

 必死で人に媚びようとするサル、それはとても滑稽で醜かったわ。

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