才賀3年編 第2話
「モラルタの非礼もあるんだ」
「それで、非礼を許せや」
泰雅君は、仲間達にも僕達にも両者に言ってるようだ。
「ええ」
「モラルタの非礼を許すわ」
「私達はモラルタへの宣戦布告をした」
「それで、文句なしよ」
僕らの月恵ちゃんが、宣戦布告を受け止める。
まぁ、こうなるよね。
「拙者、喧嘩は嫌いでござるよ」
「深夜アニメ見るのに忙しいでござる」
こいつは。こいつはまったく。
それでも、金で殺人拳を使ってた頃よりは、ましにはなかったのか。
「僕は品性方向な美少年委員長だからさ」
「喧嘩とか好きじゃないんだよね」
「けどまぁ」
「モラルタへの宣戦布告は起きてしまったんだ」
「正当防衛とか降りかかる火の粉はってやつで」
「仕方ないな」
「うん仕方ない。これは仕方ない事なんだ」
うん。仕方ない。仕方ないよね。
僕は喧嘩がしたいわけじゃないけど。
親友達を守るためにも正義のためにも護身のためにも。
戦わないといけない時がある。
あぁ、興奮している。
僕やっぱり、喧嘩が好きです。
「月恵殿が宣戦布告をするというのなら」
「仕方がないでござるな」
富造君も、やっとやる気になったようだ。
これから富造君がする事は、大方予想がつく。
これは、彼の役割だ。
「モラルタも宣戦布告を受けったでござるから」
「まだ立ち上がれない貴殿達はどうするでござるか」
「騎士道を重んじるモラルタの一員らしく」
「最後まで戦うというなら」
「こちらも侍を自認しているわけであるからして」
「最後まで戦うという騎士道を重んじて」
「戦うでござるよ」
ほらね。こういうのは、富造君の役割だ。
「俺達はもう負けた」
「この戦いに直接参加はしない」
「負傷した仲間の移送・治療」
「物資の補給」
「それぐらいはさせてくれるか」
「認めてくれるなら今から戻り、晋次さんに仲間に」
「事の次第を伝えてくる」
「ふーむ」
「負傷した仲間の移送・治療・物資の補給」
「それは、十分に戦力でござるな」
富造君が望んでるのは、負傷した仲間の治療等にも関わるなという事ではない。
富造君とは、親友だ。
けれど、3人の中で、1番受け入れられない所があるのは彼だ。
元々住んでいた世界も違うし、受け入れられない所があるのも仕方なくはあるが。
卑劣下劣とも思う所がある。
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