第4話 「某は、この世界に残るでござるぅぅ」


  「ふぉぉぉ。60%美少女の月恵殿にござる」


 60%美少女?じゃあ、普段の私は何パーセント美少女なんでしょうか。

 ヘッドギアを付けた相棒が、何か騒ぎ出した。

 

 「いつもより、2倍の60%美少女の月恵殿ぉぉ」


 え、あの、私、普段は30%しか美少女じゃないんですか。

 普段から40%は美少女ですよね。


 「某は、この世界に残るでござるぅぅ」


 19時までには本命のフルダイブ型MMORPGに来て下さい。

 それまでは、好きなだけそのフルダイブ世界にいて下さい。

 そっちにも、その姿をした私はいますよ。


 「それはいけない」

 「富造君」

 「次は僕だ」

 「3分後に交代だ」


 はぁぁ、まったく。

 バーチャルの月恵ちゃん、モテモテですね。

 あの、本物の月恵ちゃんは、貴方達の前にいるんですよ。

 もしかして、もしかてだけれども。

 本物の月恵ちゃんより、バーチャルの月恵ちゃんの方が、望まれている?

 

 「おかしい」

 「わかんねぇ」


 晴生君は、何かがわからないようだ。

 ぶつぶつと何か言っている。


 晴生君の太い腕が、私のおっぱいに近づく。


 Sloly。Be not come on。

 Harry up!Me!

 

 晴生君の腕を掴もうとする。

 晴生君の腕を掴んだ。

 

 !


 なんて力なのかしら。


 ここまでの、腕力だったかしら。


 「Stop!stopping!Help me!」


 私は、助けを求め叫んでいた。


 振り払える腕力ではなかった。


 私は、恐怖していた。


 「晴生君、突然おっぱいを触ろうとしてはいけないぞ」


 「オ、オレに授業かぁぁ!」


 彼には授業が必要だと思います。

 どなたか、彼に現代人の教育をお願いします。

 フルダイブの説明をする段階でもなかったわね。

 もっと、前の段階から教えていけなかったのではないかしら。

 2000年以上前の古代ローマでも、親友のおっぱいを突然触ってはいけないと。

 そんな教育があったのではないのかとも思うけれども。

 そんな事、教育するまでもない事なのではないかしらと、私は思います。

 


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