74話 「ざまぁぁぁぁ!そのまま死ね悪党!」


  「!ぷるぷる!ぷるぷるぷるぷる!」


 実椿ちゃんが、高速でぷるぷると言い、ぷるぷると高速で震えている。


 ちょ、そんなに高速でぷるぷると震えたら、抱えている私の体勢が崩れて危ないですよ。


 盾を構える時間もなく、左腕で弓を受け止めました。


 !いったぁぁぁぁ!

 なんですかこれ。

 これが、フルダイブ型VRMMORPGの痛覚ですか。

 現実程の痛みはなく、痛覚の制限もしているんじゃないんですか。


 思えば、私は今になってようやく、このフルダイブ型VRMMORPGの中で、痛覚を体験したんですね。

 こりゃ、現実世界での肉体が脳が死にもしますよ、こんなの。


 「ぷるぷるっ」


 実椿ちゃんが、痛がる私を見てぷるぷるっと震えている。


 「痛い?悪党それ痛い?」


 実椿ちゃんが、心配してくれているようです。


 「ええ、痛いけどだいj」


 「ざまぁぁぁぁ!」

 「そのまま死ね悪党!」


 私は、下ろした右手を振り上げ、すっぱーんと振り払いました。

 ええ、実椿ちゃんのぷるっとしたお尻に向けてですよ。

 ええ、ええ、とてもぷるぷるしていましたとも。

 ぷるっと、震えました。

 これが、フルダイブ型VRMMORPGの触感です。

 私は、この触感を忘れません。

 フルダイブ型VRMMORPGに触感は重要ですね。

 フルダイブ型VRMMORPG最高!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る