109話  私、誰も殺してませんよ。!私、一人殺してます。前世とか異世界での私とかでなく、今世で一人殺してレベル2になってました。


  !頭が痛くなってきました。

 そりゃ、こんなに頭の弱い環希ちゃんと頭の悪い会話をしていれば、頭が痛くなって当然です。


 意識が薄らいでいく。


 「ようこそ、お客人」


 !気づくと、目の前には紳士が座っている。


 「貴女は特別な存在だ」


 「あ、はい」

 「なんか皆がそういうし」

 「私もなんだか特別な存在な気はするわ」

 「フルダイブ型VRMMORPGの世界に転生したわけだし」


 「貴女は特別な存在として」


 あら、私の返事は無視して進めるのね。


 「今まで多くの者の好感度を上げてきた」


 え、さっき環希ちゃんの好感度レベルが2になっただけなんですが。


 「そして、多くの者に憎まれ」

 「多くの者に恐れられ」

 「恨まれ」

 「多くの者を死においやった」


 はぁ、やれやれ。

 この紳士もですか。

 なんだか意味ありげな登場をして、貴方もですか。

 私が誰を殺したというんでしょうか。

 私、誰も殺してませんよ。


 このエターナルファンタジーに転生した所から、記憶をさかのぼります。

 まだ、2日も立っていないように思えます。


 メルメちゃんと出会い、義徒。

 メルメちゃんが義徒との原始のGAMEで死んで。

 追いかけてきた者達がいて。

 !私、一人殺してます。

 前世とか異世界での私とかでなく、今世で一人殺してレベル2になってました。


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