41話 7割死んでる活人投げは活人投げとは言いません。それ、殺人投げですよね。異世界の人達って物騒ですね


  「君の首は柔いな」

 「首の鍛え方が足りないな」

 「怪我が治ったら、私に会いに来たまえ」

 「首から鍛えなおしてあげよう」


 言うまでもなく当然、メルメちゃんの首は柔い。

 んなもん、ロリ美少女が鍛えてるものではないわ。

 

 「さぁ、行くぞ」

 

 義徒が、メルメちゃんを脇に抱えたまま、崖から飛び降りる。

 

 「フィナーレだ」

 

 義徒が空中で、メルメちゃんの首を真下にする。


 メルメちゃんのHPゲージはここまでの継続ダメージや木々にぶつかってきたダメージで、3割を切っていた。


 「義徒活人投げ1式:崖から体重を乗せて、頭蓋骨を地面に叩きつけて首の骨を折る投げ」


 「待ってました」


 「これが活人投げよー」


 これのどこが活人投げなんでしょうか。

 異世界の人間にとっての活人投げというのは随分物騒ですね。


 「1式:首の骨を折る投げを食らった者の3割が生き残った」

 「希望がある活人投げよ」


 7割死んでるじゃないですか、。

 あーやだやだ、異世界の連中って物騒すぎます。

 7割死んでたらそれはもう活人投げではありません。


 「まぁ、これはVRMMORPGの中だ」

 「ゲームの中で入院したりキャラロストする事があっても」

 「現実で死ぬわけじゃないし」


 「そうよね」

 「活人投げといっても、現実世界だと7割死んでたものね」


 分かってるんじゃないですか貴女達も。

 あぁ、この頭蓋骨が、脳が、首の骨が痛むだけでなく。

 もっと別の意味でも頭が痛くなってきました。

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