107話 しゅわしゅわするだけの飲み物が好きなら炭酸水でも飲んでたらいいんじゃないかしら。


  「とりあえずの一本なの」

 「むふー」

 「5000Cは軽くある実椿に」

 「コンビニの3倍の値段でも恐れる事はないの」

 「もう、実椿はぷるぷるふるえないの」

 「これからはずっとむふーむふーしてるの」

 「むふー」

 

 実椿ちゃんが、むふーむふーしています。

 虫歯にも、ぐんぐんみるこの飲みすぎにも気をつけましょうね。


 実椿ちゃんが、小脇に抱えられながら、冷蔵庫を開ける。


 「むふー」

 「ぐんぐんみるこなの」


 実椿ちゃんが、小脇に抱えられながら、ぐんぐんみるこを取る。


 「おい実椿」

 「所持金どうなった」

 「その冷蔵庫から取ったら」

 「やっぱそれだけで金ひかれんのか」

 「いくら引かれてるよ」

 「お前が一番金持ってんだから」

 「お前が試し役だ」


 「ぷるぷる」

 「冷蔵庫からぐんぐんみるこ一本取ったら」

 「300Cは引かれてるの」


 ぷるぷるふるえるの、早かったですね。


 「ジュース一本で300Cか400Cってところか」

 「まぁ、私も1000Cはあるし」

 「Sparking飲むか」


 小羽玖ちゃんも、冷蔵庫からSparkingを取る。


 「ぷはっ」

 「やっぱ、しゅわしゅわするぜ」

 「Sparkingはな」


 「何か、他に言い方ないのかしら」

 「言う事とか」

 「語彙がないというか」

 「好きなんでしょ、Sparking」

 「それじゃ、ただのしゅわしゅわするだけの飲み物みたいじゃないの」


 Sparking好きなわりに、言う事はそれですか。

 味とか、香料とか、ホップとか、他にも言う事はあると思うんですがね。


 「てめぇ、他になんて言えってんだよ」

 「Sparkingはしゅわしゅわするんだぜ」

 「それと、甘い」

 「けどな私、そんなにSparkingの甘いという点は好きでもないんだ」

 「甘くなくていいぐらいだ」

 「カロリーついちまうし」

 「!Sparkingから砂糖抜いたら」

 「!ゼロカロリーじゃねぇか」

 「Zero Sparking」

 「これは売れるぜぇ」


 「えっと、それって、人工甘味料とか使わないの」


 「あぁ?てめぇ馬鹿だな」

 「人口甘味料なんて使ったら甘いじゃねぇか」

 「それに、私人工甘味料嫌いなんだよ」

 

 「炭酸水でも飲んでたらいいんじゃないかしら」


 しゅわしゅわするだけの飲み物が好きなら炭酸水でも飲んでたらいいんじゃないかしら。

 わざわざZero Sparkingなんてフルダイブ型VRMMORPGで作らなくても、それだけでゼロカロリーで甘くなくて、

 貴女の嫌いな人口調味料もなくて、しゅわしゅわしますよ。

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